医療コラム

 No.293:きくらげの栄養
 No.292:旬のたけのこを食べよう
 No.291:春菊で体調を整えよう
 No.290:カリウムの過剰摂取に注意~冬に気をつけたい食品~
 No.289:痛風の予防~飲み会が増えた方に~
 No.288:果物のおいしい季節~冬の定番みかんについて~
 No.287:野菜が高い!~そんな時に工夫できること~
 No.286:残暑~秋ナスを食べよう~

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きくらげの栄養



2024年4月
管理栄養士 小西

新年度がスタートしました。
引越しされた方や、進学、就職、転職と環境が変わる季節ですね。

さて、環境の変化や気温の変化が多い4月です。この時期にオススメな食材がきくらげ。
乾燥のきくらげは一年中流通していますが、生のきくらげは4月~8月が旬です。


今月はきくらげの栄養や特徴について説明していきます。







きくらげの栄養・特徴



・ビタミンD
きくらげ(ゆで)100g当たりに、ビタミンDが8.8μg入っています。
きのこ類の中でも多く、植物性の食材の中でもトップクラスです。ビタミンDは、肝臓や腎臓で代謝を受けて活性化し、カルシウムやリンの代謝に関わって、骨を強くする働きがあります。
また、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割があります。
ビタミンDが不足すると、小腸でのカルシウムやリンの吸収が十分にできなくなり、骨密度が低下し、骨が弱くなります。
ビタミンDがうつ病の治療に役立つ事も分かってきていますので、特に環境が変わるこの時期には不足しないように摂取する必要があります。
ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、油と一緒に炒めると吸収率がアップします。


・鉄
きくらげに入っている鉄は、「非ヘム鉄」という鉄です。ビタミンCと一緒にとると吸収率が上がります。
貧血の方や、予防のためにも不足しないように取りたい栄養素です。


・カルシウム
きくらげにはカルシウムも入っています。
カルシウムは、健康な骨や歯を作ったり、心臓や筋肉を正常に動かす役割があります。


・不溶性食物繊維
きくらげに含まれる食物繊維は「不溶性食物繊維」です。腸で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして腸を刺激します。また、体内の有害物質を吸収して、便と一緒に排出させます。そのため大腸がんの予防にもつながります。ただし、良く噛んで食べるようにしましょう。



乾燥しているきくらげは、一年中流通しています。
食感も良く、保存も効くため具材が足りないときの助けになると思います。
これからやってくるゴールデンウイークには、カロリーの高いものを食べる機会も多いと思います。
きくらげは、低カロリーのため使いやすい食材です。ぜひ料理に入れてみてください。