医療コラム
No.304:なたね油と健康No.303:黒豆で寒さに負けない
No.302:納豆の栄養
No.301:塩分の過剰摂取を防ぐ~冬に気を付けること~
No.300:大根を食べよう~風邪の予防に~
No.299:骨の健康を保つ~カルシウムを上手にとるコツ~
No.298:新米がおいしい季節~米の栄養~
No.297:トウモロコシを食べよう~食欲がない方へ~
過去のコラムの一覧
なたね油と健康
2025年3月
管理栄養士 小西
管理栄養士 小西
3月に入り、八王子でも雪が降った日もありましたが、気温がぐっと上がる日もあり、
いよいよ春が来る気配がします。
さて、みなさんはどんな油を使っていますか。
栄養相談では、オリーブオイルが高くて買えない…。というお話をよく聞きます。
最近は物価高で輸入品は特に値上げの幅が大きいように感じます。
そこで注目すべき油は、「なたね油」。
日本では江戸時代から絞られるようになった歴史ある油です。
今月はなたね油の栄養素や特徴、選ぶ時の注意点などをお伝えしていきます。

なたね油の脂肪酸の特徴
以下はなたね油に含まれる主な脂肪酸です。
含有量の多い順番に記載しています。
・オレイン酸(一価不飽和脂肪 n-9系)
安定性があり、酸化しにくい性質があります。
そのため、なたね油は加熱調理にも使えます。
LDL(悪玉)コレステロールを下げ、HDL(善玉)コレステロールはそのまま維持します。
・リノール酸(多価不飽和脂肪酸 n-6系)
血中のコレステロールを下げる働きがあります。LDL(悪玉)コレステロールを下げるとともに、
HDL(善玉)コレステロールまで下げてしまいます。
・α-リノレン酸(多価不飽和脂肪酸 n-3系)
αリノレン酸とは脂質の主な構成成分である脂肪酸のひとつで、人間の体内では合成することのできない
必須脂肪酸です。体内ではDHAやEPAに変換され、動脈硬化の予防につながります。
炎症を抑える働きがあるため、α‐リノレン酸が含まれている油は花粉症の方にもオススメです。
・選ぶときに気を付けることは?
「圧搾法」で作られているものを選ぶ
圧搾法は、物理的な圧力のみで油を絞り出す製法です。
なたね本来の風味や栄養が残りやすいです。
購入するときは、パッケージを見て製法を確認しましょう
どの油にも共通することですが、油は開封すると酸化されやすくなります。
そのため、開封したら1ヶ月~2ヶ月以内に使いましょう。
また使い切れる大きさのものを購入するようにしましょう。
健康を意識して、油を選んでいる方も多いように感じます。
何を買うか迷っている方は、なたね油を買ってみてはいかがでしょうか。
