2016年9 月20日
管理栄養士 中居有紀
日が暮れるのも早くなり、日中も肌寒い日がだいぶ多くなりました。
今日のクリニックは、長袖を着てる人の方が多いです。
9月も20日目になりますが、今月は“がん征圧月間”という時期なのだそうです。
がんと、その予防についての正しい知識を広め、早期発見・早期治療に向けて、全国的に取り組んでいこうとがん協会で定められているのが、この9月。
当クリニックの患者様にも、がんの手術を経験されている方や治療中という方がいます。
また日頃テレビや新聞から聞く有名人のニュースを聞いていると、老若男女問わず注意したい病気なのだと感じることもあります。
一般的に、がんは死を連想させやすく“怖い病気”というイメージが強いですが、早期に発見されれば問題ないことも多い病気です。かかっても早期発見できるよう定期的に検診を受けることがとても大切ですが、さらに食事から予防に努めることも可能です。
がんを予防する食材がなにか、知っていますか?
今日はそんながんを予防する食材の目安として、“デザイナーフーズピラミッド”というのをご紹介します。
デザイナーフーズピラミッドとは…?
アメリカで発表された、
がん予防効果の高い食材
40種類をピラミッド形式で表されたもので、
1990年と少し前になりますが、国立がん研究所から発表されています。
このデザイナーフーズ(植物性食品によるがん予防)の考え方は、脂肪の摂りすぎががんになりやすくさせたり、野菜・果物・全粒穀物を重視した食生活が、がんの罹患率を低下させるという研究報告を踏まえて生まれました。
このためカテキンなどのポリフェノール群や、野菜・果物・海藻類に含まれるカロテノイド群など、がん予防効果の可能性がある
植物性
の食品、中でも40種類がピックアップされ、3つのランクに分かれたピラミッドの形で発表されました。
その後、アメリカでは国民一人当たりの野菜の消費量が大きく伸び、がんの罹患率・死亡率が年々減少傾向にあるそうです。野菜の力って、すごいですね…!
それでは・・・
アメリカで発表された、デザイナーフーズピラミッドがこちら!
上に位置している食材ほど、がん予防の効果が高いとされています。
トップは、にんにく!
強い匂いのする正体、硫化アリル(アリシン)が強い抗酸化作用を持ち、がんの予防に働くと考えられます。特に、切ったりすりおろしたりすることで、より体内に吸収されやすくなります。油で調理するとアリシンの成分そのものが壊れにくくなるため、スライスして炒め物に入れても◎。
生の場合は、食べ過ぎると胃腸を壊すことがあるので、1日1片程度までが適量です。
またキャベツも上位に。
特に、まだ成熟していなくて巻きがゆるく、涼しい北の地域で採れたキャベツほど、抗酸化力が高いようです。キャベツはビタミンCや辛み成分のイソチオシアネートが多く含まれており、抗酸化力を高める働きをします。どちらも熱に強くないため、生で食べるのが栄養素を無駄にしない食べ方です。千切りにして付け合わせにしたり、大きくちぎってごまやごま油と一緒に焼肉屋さんのサラダのようにして食べても良いですね!
上のピラミッドの食材の中には、日本ではなじみの薄い食材もありますが、
ほとんどは日本でも手に入るものです。
特に、にんにくとキャベツ!
少しでも家系的にがんが気になる方や、がんを予防していきたいと思われている方のご参考になりますように。