医療コラム

食事で身体を温める

管理栄養士 中居有紀

紅葉が色づき始めたと同時に、日に日に寒くなっていきます。
当クリニックの栄養指導では、「鍋料理を食べ始めた」という方々のお声を聞くことも増えてきました。

寒い季節でも、食事によって『冷えにくい身体』に近づけていきたいもの。
この『冷えにくい身体』とすることは、所謂「血液サラサラ」にすることにも関係があります。
今回は、そんな『冷え』と『血液循環』に関してのテーマです。

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■ 身体が冷えるのは?
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 比較的女性に多く、中でも手足などの末端部分に冷えを感じることが多い、「冷え症」と呼ばれる状態。これは手足などの末端部分への血液の巡りが良くないことが影響していると考えられています。この血液の巡りは、次のような食事によって、改善に近づけていくことが出来ます。

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■ 血液循環と食事の関係
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<血行を良くする食事のポイント>
[1] 食べ過ぎ注意、食べる量は腹7分が目安
[2] 偏りのないバランスのとれた食生活を
[3] 抗酸化力の高い食材を取り入れる
[4] 塩を使う際は、『自然塩』を使用する


[1] 食べ過ぎ注意、食べる量は腹7分が目安
 いつもお腹いっぱいになるまで「食べ過ぎる」ことはありませんか?
「食べ過ぎて苦しい」…そんな時、血液がドロドロになっている可能性があります。
 血液がドロドロの状態では、血行が悪くなり、冷えの元となっていきます。

 当クリニックでは、食事を摂るときは『腹7分』までの摂取をお勧めしています。
 「食べ過ぎ」のないように、腹7分での摂取を心がけましょう。


[2] バランスのとれた偏りのない食生活を
 身体は、食物を消化することによって熱を生み出しています。それぞれの栄養素は相互に働き合いながら、代謝され、熱が発生します。日々の食生活の中で、少しでも食事バランスを考えたメニューにして、偏りのない食事にしましょう。(具体的なバランスのとり方については、当クリニックの栄養指導にて、お気軽にお尋ねください)


[3] 抗酸化力の高い食材を取り入れる
 前々回のコラムに書かれている抗酸化力の高い食材は、活性酸素を除去し、所謂「血液サラサラ」にする働きがあると考えられています。緑黄色野菜や青魚を始め、抗酸化力の高い食材を積極的に摂取するようにしましょう。(特に抗酸化力の高い野菜については、前々回のコラムをご参照ください。)
  
 

[4] 塩を使う際は、『自然塩』を使用する
 当クリニックでは、塩を使う際は『自然塩』といわれるものの使用を推奨しています。塩の中でも自然塩は、精製塩と比較して塩分量が少ないことが特徴です。この自然塩は、東洋医学では、身体を温める食材として考えられています。塩を使う際は、精製塩よりも自然塩を使うというのも、身体を温めるのに向いているかもしれません。


 これから春まで、更に寒くなっていくことが予測されます。
 食事にも気遣い、冷えにくい身体で、風邪などひかないようにしましょう。