医療コラム

【12月】ヘルシーに年初め!おせち料理の栄養

2014年12 月20日

管理栄養士 中居有紀

 


早くも今週、八王子のクリニック周辺にも雪が降りました。
ほんの少し降っただけですぐ雨に変わりましたが、北日本では爆弾低気圧の影響で暴風や猛吹雪が今も続いているようです。

暖房なしではいられないような寒い日が続き、今年もあっという間にあと10日程。ひつじ年の2015年も目の前です。新らしい一年の健康目標は、お決まりでしょうか?

さて新年を迎え、お正月には定番おせち料理を召し上がる方も多いかと思います。
どうせ新年早々食べるなら、おせち料理もヘルシーに賢く食べれば、その後も一年中健康に気持ち良く過ごせそうです。

そこで今回は、おせち料理の栄養を解説します。2年前のコラムvol.28にもおせち料理の栄養について掲載していますが、内容をパワーアップしてお届けします!



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●○  おせち料理の栄養

 

紅白なます

紅白の彩りでおめでたさを醸し出すなます。大根にはお雑煮やお餅などに含まれるでんぷんの消化を助けるジアスターゼが豊富。にんじんには、体内でビタミンAに変わるβ―カロテンが多く含まれ、細菌感染を防ぎ風邪をひきにくくするのに働き、また抗酸化作用でがんの予防も期待されています。

 

昆布巻き

低カロリーかつ、コレステロールを下げる働きのある水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダンが豊富。中の具材の鮭には良質なタンパク質や、カルシウムの吸収を促すビタミンDが、またニシンには貧血改善に働くビタミンB12やビタミンDが多く含まれています。

 

黒豆

植物性タンパク質が豊富。このため肉や乳製品などの動物性タンパク質よりいわゆる『血液サラサラ』になりやすく、動脈硬化の予防等に働きます。また女性ホルモン・自律神経のバランスを整える大豆イソフラボンや食物繊維も多く含んでいます。

 

数の子

造血作用などの働きがあるビタミンB12を多く含みますが、ニシンの卵なのでコレステロールがたくさん含まれています。またカロリーも高め。コレステロール値が高い方やカロリーが気になる方は、少量までに控えましょう。

 

栗きんとん

マッシュしたさつまいもに栗を合わせて作られたもの。さつまいもには抗酸化ビタミンであるCとEを豊富に含み、また便秘の解消に威力を発揮する食物繊維も豊富。ただし既製品のきんとんは、多くの場合砂糖が大量に含まれています。血糖値が気になる方は、手作りして砂糖を控えめにするのもGOOD。

 

酢れんこん

栗きんとんと同様に、ビタミンCや食物繊維が豊富。またれんこんから引く糸の正体は、「ムチン」。ムチンは、胃壁を保護し、胃潰瘍や胃炎の予防に働く成分です。

 

伊達巻

卵と白身魚のすり身から作られているため、タンパク質を多く含みますが、コレステロールや糖分も多め。数の子と同様に、コレステロール値が気になる方は、控えめにするのが無難です。

 

紅白かまぼこ

白身魚のすり身から作られているためタンパク質は手軽にとれますが、塩分も少し多め。食べ過ぎには注意しましょう。

 

菊花かぶ

消化を助ける酵素ジアスターゼや、デンプンを分解する酵素アミラーゼが豊富に含まれているかぶが、弱った胃の回復を助けます。酢をベースにした調理で低カロリー!箸休めにぴったりです。

 

ごまめ(田作り)

カタクチイワシの稚魚を塩水で洗って干したのが、ごまめ。カルシウムや、味覚機能を正常にする亜鉛などのミネラルが多い反面、プリン体やコレステロールも多く含みます。尿酸値やコレステロール値が気になる方は、控えめにした方がGOOD。

 

えび

カルシウムや、動脈硬化の予防に働くタウリンが多く含まれている一方で、プリン体も比較的多く含まれています。尿酸値の気になる方は控えめがおすすめです。

 

 

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いかがでしょうか。
縁起物でも、人によってふさわしい食べ方が違ってきます。

「コレステロールが高めの人は、伊達巻や数の子は少し控えめにして酢れんこんや昆布巻きを積極的に食べる」「胃が荒れていると思う人は、菊花かぶや紅白なますを選ぶ」などして、ヘルシーに賢く年初めの食事を楽しんでみてください。

 

 

今年も一年、ご来院下さりありがとうございました。
お元気で、新年をお迎えください。

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(No.52