2013年12 月20日
管理栄養士 中居有紀
澄んだ空とひんやりした空気の日が続きます。
東京・八王子は、紅葉の見頃も過ぎ、地面の落ち葉が木枯らしで舞っているのをよく見かけるようになりました。
今年も残りあと11日。
今年最後の栄養コラムとなりましたが、振り返ると栄養指導にも、個人の方でも集団の方でも、食事改善に前向きな心温かい方達に恵まれたことに感謝の日々です。
さて、今月4日。
『
和食
』がユネスコの無形文化遺産として登録されることが、決まりました。
登録にあたり、和食の特徴として
・多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
・自然の美しさや季節の移ろいの表現
・正月などの年中行事との密接な関わり
などが挙げられたようですが、もう一点、「
栄養バランスに優れた健康的な食生活
」と言う点も挙がりました。
そこで今回は、和食の魅力、栄養的特徴を振り返ってみます。
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◆栄養バランスがとりやすい
和食の基本構成は、一汁三菜(いちじゅうさんさい)。
ご飯と汁物、おかず3種(主菜1品、副菜2品)で構成されています。ご飯でエネルギー源となる炭水化物を、汁物で水分を、おかずでその他の栄養素(タンパク質やビタミン・ミネラル・食物繊維等)がバランスよくとりやすくなっています。これに対して洋食は、肉類やチーズ、生クリームなどの乳製品を多く含むため、バランス面では高脂肪(中でも高飽和脂肪酸)になりがちなのが、注意したいところです。
◆油脂量が少ない
洋食が肉類や乳製品によって高脂肪になりやすいのに対し、和食は出汁(だし)が利用され、油脂量が比較的少なくなるのが特徴。タンパク源は、肉類よりは植物性蛋白の豆腐や納豆などの大豆製品や、良質油脂を持つ魚が中心であるため、和食中心の食生活では、高脂肪・高カロリーにより引き起こされる生活習慣病(肥満、動脈硬化や糖尿病など)のリスクが軽減されます。
◆食物繊維がたっぷり摂れる
日本古来の自然の産物(海藻、芋、豆、きのこ、玄米など)には、食物繊維がたくさん含まれます。食物繊維には、コレステロール低下作用や、血糖値の急な上昇を防いで糖尿病を予防する働き、血圧の上昇を防ぐ働きや、便秘を予防する働きなど様々な働きがあり、生活習慣病の予防を助けます。
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年越しそばを食べる大晦日まであと11日。
来る新年も、季節の和食、お雑煮やおせち料理で彩る楽しい食卓でスタートされますように。
今年も一年ご来院くださり、ありがとうございました。
お元気で、新年をお迎えください。
(No.40)