医療コラム

残暑を乗り切ろう~夏バテを予防する食事




2020年8月
管理栄養士 小西

8月に入り、猛烈な暑さに見舞われています。
水分や塩分を補給して、脱水を防ぎ、適度にエアコンを使用し熱中症を予防して
いきましょう。

さて、今年は梅雨が長かった分、暑さに慣れていないため身体が疲れやすくなりますね。
いわゆる夏バテになる可能性が十分あります。
栄養相談では、夏バテで食欲がないとおっしゃる方が度々いらっしゃいます。
疲れを残さないように心がけることも大切ですね。



今月は、夏バテ予防に良い栄養素、食べ方についてお伝えしていきます。







夏バテ予防に良い栄養素



〇ビタミンB1
糖質を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労感や倦怠感を減少させます。
「疲労回復のビタミン」と言われています。
多く含まれる食品【豚肉、落花生、ごま、うなぎ、レバー、豆腐 】


〇ビタミンB2
ビタミンB1の働きを助ける働きがあります。また、脂肪を燃やして、体内の脂肪を酸化
されるのを防ぐ働きがあります。「発育のビタミン」とも呼ばれています。
多く含まれる食品【納豆、卵、ウナギ、サバ、アーモンド、干しシイタケ】


〇ビタミンB6
タンパク質や脂質の代謝に必要です。
タンパク質を多くとる場合にはとても大切な栄養素になります。
多く含まれる食品【サンマ、サバ、鮭、マグロ、卵、豆類】


〇ビタミンC
ストレスを和らげる働きがあります。タンパク質の合成に必要です。
多く含む食品【果物、緑黄色野菜、豆類】






〇クエン酸
疲労物質の乳酸を減少させる働きがあります。体内のエネルギーを効率よく燃焼させ、
疲労回復を早めます。
多く含まれる食品【レモン キウイフルーツ 梅干し 】


〇マグネシウム
ビタミンB群と一緒にエネルギー代謝にかかわる働きがあります。
筋肉と神経の正常な働きを保ちます。疲労回復にも欠かせない栄養素です。
多く含まれる食品【豆類、豆腐、納豆 ホタテ、カツオ、アジ、ホウレンソウ】


〇硫酸アリル
ビタミンB1の吸収を高める働きがあり、糖質の代謝を促進するため、疲労回復や
神経の高ぶりを抑えます。
多く含まれる食品【たまねぎ、ねぎ類、にんにく、にら、らっきょう】







食べ方のポイント


〇炭水化物と一緒にビタミンB1、B2を含む食品を一緒に食べる
麺類など、炭水化物のみの摂取になると、糖質がうまく分解されず疲れがたまってしまう
原因となります。
そうめん、ざるそばなど単品料理は簡単ですが、組み合わせて摂ることが大切です。


〇副菜にはビタミンCを含む野菜を食べる。
副菜までタンパク質のおかずになってしまうと、ビタミンCが不足しイライラにつながり
余計に疲れやすくなります。野菜も積極的にとりましょう。


〇食欲がないときは香りがある野菜を使用する
にんにく、ねぎ、にらなどは香りが強い野菜は、食欲を増進させる働きがあります。
暑さで身体が疲れて食欲がない時は、上記の野菜を取り入れ、香りを楽しみながら食事を
してみましょう。






今年は、例年より9月中までの気温が高いと予報が出ています。
残暑にも負けず、健康を維持していきましょう。