医療コラム

夏の脱水に注意


2020年7月
管理栄養士 小西

雨の日が続き、湿度が多くじめじめとした気候が続いていますね。
気温の変動も大きいため、体調にはお気を付けください。

さて、7月も過ぎ、いよいよ夏本番を迎えます。
例年この時期は、脱水や熱中症になる方がとても増える時期です。

今年は新しい生活様式として、マスクを着用されている方も多いと思います。
マスクを着用すると、のどの渇きが感じにくくなり水分摂取の不足につながる可能性が
あります。

人間の体は、体重に対して約60%が水分で、体液として体に蓄えられています。
一日の中で、体から出る水と入る水の量のバランスが悪くなり、体の中の水分量が減って
しまうと脱水症になります。
不足した水分量が体重の3%を超えると「脱水症」になります。
20%を超えると命を落とすこともあります。

今月は、夏の期間に脱水にならないためにはどうしたらよいかをお伝えしていきます。





暑い夏に脱水にならないために…



〇朝食をとる、朝食に味噌汁を飲む。
夏は朝の時点でも気温が高く汗をかきやすいです。
朝食を摂らないで外出してしまうと、寝ている間に失われた汗(特に水分と塩分)を
補いきれていないため、外出先で脱水状態になり倒れてしまうことがあります。
そのため、朝食を摂ることがとても大切です。
また味噌汁は、塩分と水分両方とれる優れものですので、朝食に補給することが大切です。


〇カリウムの入っている食材を摂取する。
夏野菜(トマト、キュウリ、ナス、ピーマンなど)にはカリウムが多く含まれています。
また、果物や豆類にも入っています。
汗をかくとカリウムも身体から失われるので、普段から補給することが大切です。
カリウムが不足すると、筋力低下、筋肉痛、悪心、嘔吐、けいれんなどの症状が出ることがあります。





〇カフェインの多く含まれている飲み物に注意する。
コーヒー、紅茶、緑茶にはカフェインが含まれています。カフェインには、利尿作用が
あるため体の水分が尿として排泄されます。
せっかく摂取しても、カフェインの多い飲み物が中心ですと逆に脱水になってしまいます。
水分補給は、水・麦茶などカフェインが含まれないものを中心にしましょう。


〇大量に汗をかいたときは経口補水液を
炎天下で仕事や、スポーツなどで大量に汗をかいたときは、水だけとってしまうと身体に
塩分が足りなくなり、低ナトリウム血症になります。
低ナトリウム血症が進んでしまうと、頭痛、嘔吐、けいれん、昏睡などの症状を引き起こす場合があります。
経口補水液は、水分と塩分を素早く体に吸収されるように調整されていますので
大量に汗をかいたときは、経口補水液をとりましょう。






上記を参考に取り組んでいただければ、脱水だけではなく夏バテの防止にもつながります。
暑い夏を元気に乗り切っていきましょう。