医療コラム
人気野菜!トマトの栄養
2018年6月
管理栄養士 中居 有紀
管理栄養士 中居 有紀
東京も梅雨に入りました。
今年の梅雨は、東京では平年よりも比較的多めと予想されているようです。
雨の多い年には、トマトが不出来になりやすいそうですが…
トマト、当クリニックでは大変人気の野菜。
栄養指導の席では、フルーツ感覚で、おやつ代わりにトマトを食べるという声が
けっこうな数、聞かれます。
ということで今月のテーマは
赤い野菜の代名詞、“トマト”について。
トマトが赤くなると、医者が青くなる…ということわざがあるのも頷ける、
トマトの高い栄養価について解説します。
トマトの栄養、リコピン
トマトの栄養素として特に注目すべきは、リコピン。
赤い色のもとになっている成分で、カロテノイドの一種です。
リコピンには強い抗酸化作用があり、その作用はビタミンEの100倍以上。
トマトのリコピンによる、糖尿病や動脈硬化、各種ガンなどの病気を
予防する働きがあることが、確認されています。
リコピンの体内での吸収を高めるには…
リコピンは油に溶けやすい性質があるため、
油を使った料理法により、リコピンの吸収を高めることができます。
また熱にも強い性質のため、炒めたり煮込んだりしてもOK。
手軽なのは、トマトにオリーブオイル(とハーブソルトやブラックペッパーなど)をかけて
冷やしトマトサラダにして食べる方法。
これだけで、体の抗酸化力をおいしく高めることができます。
さらにトマトジュースでもGOOD!
熟したトマトを加工されてできているトマトジュースは、よく熟している分、
多くの栄養素を含みます。
実は同じ量を摂取した場合、生よりも加工品の方がリコピンの量が多いことが
分かっています。
加工品も上手に活用して、リコピンを積極的に摂取しましょう。
ほかトマトには、ビタミンC、カリウム、水溶性食物繊維ペクチンなども
豊富に含まれています。
おいしくて、健康のためにも働くトマト。
今年も元気な赤色で、家庭の食卓を彩ってくれますように。