医療コラム

お酒との上手な付き合い方

2017年7月

管理栄養士 森 幸恵

酒は百薬の長と言われます。
刺身には日本酒、お肉にはワインなど、料理を更に美味しく引き立ててくれます。
お酒を好きな方は多いのではないでしょうか?
お酒の特徴や利点・弱点、適量についてお話しします。



ウイスキーなどの蒸留酒は、カロリーがゼロと思っている方も多いのですが、
アルコール自体に、1g当たり約7kcalのエネルギーがあります。

分類としては、
ビールやワイン、紹興酒などは ⇒ 「醸造酒
焼酎、ウイスキーなどは ⇒ 「蒸留酒

蒸留酒と違い、醸造酒はアルコールの他に、たんぱく質や炭水化物を含むので、それらによるエネルギーもあります。

1日の適量(アルコール22g)の種類別、エネルギー量


※ 1週間に日本酒換算7合までが適量と言われています。
※ 女性は、体がお酒に弱いので、その半分(3.5合)が目安です。

アルコール22g当たり(日本酒換算1合)
ビール日本酒ワイン焼酎ウイスキー
アルコール度数4.6 %15.4 %11.6 %25.0 %40.0 %
適量(ml)590 ml180 ml237 ml110 ml69 ml
エネルギー量(kcal)238 kcal195 kcal173 kcal157 kcal156 kcal

日本酒やビールのカロリーが高いことがわかります。
これは、同じ位酔っぱらった場合、ビール・日本酒だと太りやすいという訳です。
焼酎やウイスキーは炭酸や水、お湯で薄めて飲むこと多く、お酒の量を調節しやすくなります。

お酒の利点・弱点


お酒の弱点
・お酒は内臓脂肪を増やしやすくします。
・肝臓に負担がかかります。
・カロリーが高いです。
・エネルギー以外の栄養素がほとんど含まれません。(特に蒸留酒)
・血圧を上げやすくします。
・体の中で中性脂肪にかわりやすいです。
・体内でアルコールを分解する時、水を使うので、脱水がおこりやすくなります。
・依存性があり、自然に量が増えます。

お酒の利点
・HDL(善玉)コレステロールを増やします。
・腎臓病など、エネルギーをきちんと確保したい人には、
多少のお酒はエネルギー源となります。
・料理を引き立てます。
・リラックス効果があります。

飲み過ぎ防止の為のポイント


① お酒を飲む前には、水分を摂る
渇いた喉をビールでキュッと潤す、のはとっても美味しいですが、喉が渇いていると飲むペースが上がります。飲み過ぎてしまうので、喉が渇いていない状態から飲み始めましょう。

② お酒の横には、チェイサーの水や炭酸水を置く
飲み会などで、長い時間同じ場所にいると、手持ち無沙汰になり、ついお酒の入ったグラスを飲んでしまいます。グラスに手が伸びた時の2回に1回は、チェイサーを飲むようにしましょう。半分の量に減らせます。

ノンアルコールビールを試してみる
この10年程で、ノンアルコールビールの種類が増えました。
昔の印象で、嫌う方も多いですが、かなり美味しくなったと思いますので、一度お試しください。シュワッとしたい時は、ビールではなく、ノンアルコールビールでも十分かもしれません。

④ 自宅でチューハイを飲む際は、アルコール度数が低いものを選ぶ
最近は、アルコール度数が高い(8-9度)のチューハイが増えてきました。アルコール度数が低い物を選ぶ方が身体への負担が少なくなります。

元気に長くお酒を楽しむ為にも、ぜひ適量を心がけてくださいね。

(No.83)