2016年12 月20日
管理栄養士 中居有紀
今年も年末年始に備えて、動脈硬化予防をテーマとする講座を開催しました。
一度心筋梗塞を起こされている方が「改めて予防のために」と参加して、心筋梗塞の発作を起こした時のエピソードを他の参加者にも教えてくれたり、また健康に関心のあるご夫婦お二人で参加され、今までの食事の振り返りと今後の食事の方針を話し合いながら参加してくれたり。
クリスマスも含め、年末年始は食事がいつもとは違うことが多く、洋食が多かったり、ちょっと豪華になったりします。そうするとちょっと太りやすくなったり、動脈硬化になりやすくなってしまったりします。
せっかくの楽しい年末年始のお食事。
体が元気になる食べ方が出来れば、もっと良い一年を過ごすことが出来そうです。
そこで今日は、年末年始の食事について、動脈硬化予防の観点から解説していきます。
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■ 動脈硬化って?
動脈硬化は、その字の通り、動脈が硬くなる状態です。
が、硬くなるだけでなく、中が狭くなってしまうのも特徴。
LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が高い、いわゆる“血液ドロドロ”状態が長く続くと、次第に血管の中にコレステロールなどの酸化したものが積もっていきます。年月が経つとともに、積もれば積もるほど血管は狭くなり、血液が通りにくくなってしまい、動脈硬化が進行していきます。
そ
して多く積もりすぎたり、あるいはドロドロ血液の塊(血栓)が流れてきたりして、血管を塞いでしまうことがあります。これが心臓や脳で起これば、大事な血管が機能しなくなってしまうので、心筋梗塞や脳梗塞といった、怖い病気につながることがあります。
■ 食事で注意したいこと
1.いわゆる「ドロドロ」のもとを摂らない
血液を「ドロドロ」にしてしまう、すなわちコレステロールや中性脂肪を上げやすい食材に注意しましょう。
○コレステロールを上げやすい食材
卵、魚卵(たらこ、いくら、ししゃもなど)、レバー、乳製品、脂身の多い肉、チョコレートなどの洋菓子類等
○中性脂肪を上げやすい食材
アイスクリーム、生クリーム、ベーコン、チーズ、脂身の多い肉、饅頭などの和菓子、甘いジュース類、糖分の多いくだもの、アルコール等
2.いわゆる「サラサラ」にする食材を摂る
水溶性食物繊維がコレステロールを下げる働きがあるとされています。
水溶性食物繊維の多い食材を積極的に摂りましょう!
水溶性食物繊維が特に多い食材
ニンニク、ゆずの皮、ごぼう、納豆、きんかん、アボカド、オクラ
明日葉、いんげん豆、モロヘイヤ 等
また中性脂肪を下げるためには、日頃食べ過ぎないようカロリーに気を付けることが大切です。カロリーの高い揚げ物や肉の摂りすぎには気を付けましょう。
3.酸化させない食材を摂る
動脈硬化は、コレステロールなどの血中脂質が酸化されて出来るものです。コレステロールや中性脂肪が高くても動脈硬化を進行させないよう、酸化させない食材=抗酸化力の高い食材を積極的に摂りましょう。
抗酸化力の高い食材は、今年9月号のコラムでも書いたように、
にんにくやキャベツ、大豆
などがあります。
また抗酸化力の高い
ビタミンA
を多く含む
ピーマン、かぼちゃ、にんじん
などの緑黄色野菜全般や、
ビタミンC
を多く含む
赤ピーマン、ブロッコリー、キウイやいちごなどのフルーツ
、
ビタミンE
を多く含む
アボカドやナッツ類、ひまわり油
なども抗酸化力の高い食材です。
そして動脈硬化予防のため、年末年始に注意したい食材と、逆に積極的に摂りたいものは、下の通り!
---年末年始に注意したいもの---
◆クリスマス
ケーキ(生クリーム)、チョコレート、チキン(皮)、スペアリブ、チーズ料理
◆正月
数の子、ごまめ(田作り)、伊達巻、いくら
---年末年始に積極的に摂りたいもの---
◆クリスマス
サラダ、その他の濃い色の野菜、キウイ・ブルーベリー・イチゴなどのフルーツ
◆正月
黒豆、昆布巻き、菊花かぶ、酢れんこん 等
※なんでも食べ過ぎはカロリーオーバーのもとになるので注意!
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おいしく&楽しく&健康なお食事で…
新しい年も、皆さまが丈夫な身体で過ごせますように。
今年もコラムをお読みいただき、どうもありがとうございました。