医療コラム


夏の適切な塩分(ミネラル)の取り方~熱中症の予防~


2023年8月
管理栄養士 小西

8月も後半になりますが、暑い日が続いています。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?


栄養相談では、熱中症になりかけた方、暑い時間帯に外出して体調を崩されたというお話聞きました。
また、そこでよくご質問されることが「塩分」の取り方についてです。

夏なので、塩分を普段より取ったほうがいいのか、予防的に取った方がいいのかと悩まれている方がいらっしゃいました。

もちろん塩分の取りすぎはいけないのですが、脱水や熱中症を防ぐためには、取り方に工夫が必要です。

今月は、塩分(ミネラル)の取り方を中心にお伝えしていきます。







熱中症予防の塩分(ミネラル)の取り方



○朝食に味噌汁をとる
朝食に味噌汁をとると、塩分と水分の両方が補給されます。
また、野菜を入れることでカリウムも補給できます。
夕食に味噌汁を食べている方も多いですが、これから活動する朝食にとることがオススメです。
ただし、味噌汁は1日1~2杯までにしましょう。


○未精製塩(自然塩)を使う
精製されている塩は、99%以上が塩化ナトリウム(Nacl)です。そのため、他のミネラルはほとんど入っていません。自然塩は、ナトリウム以外にもカルシウムやマグネシウムが入っています。汗にナトリウム以外のミネラルも入っており、自然塩を補給することによりバランスよいミネラルの補給ができます。


○梅干をとる
梅干は、汗をかいたときに摂取される代表的なものです
1個当たり1~2g程度の塩分が摂取できます。
梅干には、クエン酸が含まれています。疲労物質の乳酸を減少させる働きがあり、疲れをとる助けとなります。
梅の酸味成分には、唾液の分泌促す為、食欲増進が期待できます。
そのため、夏に食欲がない方オススメです。


○脱水症状には水ではなく経口補水液を飲む
炎天下で作業したり、運動して大量の汗をかいた場合は脱水の可能性がありますので、水と塩分(ミネラル)が必要です。経口補水液はスポーツドリンクよりも、素早く水分と塩分(ミネラル)を吸収してくれます。また、スポーツドリンクよりも砂糖の量が少ないです。脱水の時は経口補水液を飲みましょう。(普段の水分補給は、水や麦茶にしましょう。)




注意点


・塩分制限を受けている方は主治医に確認をしてください。
・涼しい室内にいる時間が長い方は、塩分を過剰に取るのではなく、取る時間を考えましょう。
夜に偏るより、朝や日中帯の動く時間帯に取ると良いです。
・食事をきちんと取らないと、水分もミネラルも不足するので3食食事をきちんと取りましょう。







今年は、9月も暑く残暑が厳しそうです。
気を抜かずに熱中症予防に努めましょう。