医療コラム
グレープフルーツジュースと薬
2018年3月
管理栄養士 森 幸恵
「血圧の薬を飲んでいる人は、グレープフルーツジュースを飲んではいけない。」そんな話を聞いたことはないですか?
栄養相談でも、“量は?” “みかんは?” “グレープフルーツ自体もだめなの?”など色々な質問をうけます。
まとめてみました。皆さんも確認してみてくださいね。
影響する物質
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという物質
薬の種類
一番有名なのは、血圧の薬の中でも“カルシウム拮抗薬”という種類です。
血圧を下げる薬の全てがグレープフルーツと相性が悪いわけではありません。
逆に“カルシウム拮抗薬”以外であっても、グレープフルーツジュースと影響しあってしまう薬もあるので、薬剤師から説明を受けた場合は注意してください。
相性の悪い薬とグレープフルーツを同時にとるとどうなるの?
薬が血液中に吸収されすぎてしまい、薬が効きすぎてしまったり、副作用が出やすくなります。しかもその効果は数日続きます。
グレープフルーツジュースの量は?
コップ1杯で充分影響が出ます。
グレープフルーツ自体はどうなの?
フラノクマリンは果肉よりも皮部分に多く含まれます。その為、皮ごとつぶして作るジュースが一番影響しやすくなります。けれども果肉を食べて影響が出たという研究もあります。(グレープフルーツ1つでジュース1杯と同程度のフラノクマリン)グレープフルーツ自体を控えてください。ルビー種よりも普通の白いグレープフルーツの方が、フラノクマリンが多く含まれます。
グレープフルーツ以外の柑橘類は?
ぶんたん、スイーティー、晩白柚、メローゴールド、だいだいこれらには、グレープフルーツと同じくフラノクマリンが含まれます。残念ながら果肉を食べるのも控えてください。特に晩白柚やスイーティー、メローゴールドには多く含まれるようです。皆さんが大好きな温州みかんには、フラノクマリンが含まれません。
医師や薬剤師、管理栄養士によってもどこまで注意すべきなのか意見が異なることがあります。悩んだ場合は、主治医の指示に従ってくださいね。
来月からは高野(旧 中居)がコラムを担当させていただきます。
(No.91)