2016年10 月20日
管理栄養士 中居有紀
秋晴れの気持ちいいこの頃。
栄養指導では、「今年のうちに70kgを切ろうかと思っています!」などと、年内のラストスパートをかけようとされている方がいらっしゃいます。
何かと体重の増えやすい年末年始を迎える前に、目標を決めて痩せておきたいところですね!
ところで年末年始にも出番の多いお酒ですが…
「カロリーゼロのビールを飲んでいます!」と、先日お話されている方がいました。0kcalだから太らないと思っていたとのこと。そう言う方はたくさんいます。
でもカロリーゼロのビールというのは、まず売られていません。あるとしたら、ノンアルコールのビールテイスト飲料というものです。
勘違いされることの多い「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」「カロリーオフ」、そして「プリン体ゼロ」…などの表記について、今号のコラムでは整理してみようと思います。
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定番アルコール飲料の一つ、ビールは、麦芽にホップを加えて、ビール酵母でアルコール発酵させたものです。日本で売られているビールは度数4―5.5%程度ですが、世界のビールは種類豊富で原料や製法もそれぞれ異なり、度数もさまざま。3%を下回るものから、 10%程度のものまであります。
◆ ビールのカロリー
アルコール類のカロリーはその度数に左右されますが、ビールにせよ日本酒にせよワインにせよ、アルコールそのものの1gあたりのカロリーは7kcal。
日本のビールは、350mLで150kcal前後。大瓶1本(633mL)で250kcal前後=ごはん1杯と同程度のカロリーです(肴もあれば、さらにカロリーUPして太りやすくなってしまいます!)
◆ ビールの糖質量
含まれている糖質量はメーカーや商品によって異なりますが、一般的なビール(350mL)の場合、およそ10—15g程度。季節限定品やワンランク上質品などは、実は普通タイプのものより糖質が多いということもあるので注意。
“糖質オフ”“糖質ゼロ”と謳われているタイプのものは、この糖質量がそれより少ないということになります。
◆ ビールのプリン体量
これもメーカーや商品によって異なりますが、一般的なビール(350mL)の場合、およそ20—40mg程度です。
では、カロリーゼロ・糖質ゼロ・プリン体ゼロ、あるいはカロリーオフ・糖質オフ…、これはどういう意味になるのでしょうか?
栄養表示基準では、
・カロリーゼロ:100mLあたり5kcal未満
・糖質ゼロ:100mLあたりに含まれる糖質が0.5g未満
・プリン体ゼロ:100mLあたりに含まれるプリン体が0.5mg未満
・カロリーオフ:100mLあたり20kcal以下
・糖質オフ:100mLあたり糖質が2.5g以下
と定められています。
例えばカロリーゼロは、100mLあたり5kcal未満の場合をさすので、350mLの場合は17kcalでも『カロリーゼロ』と表示されています。まったくの0kcalというわけではありません。
またビールの場合はカロリー『オフ』のタイプのものが多く、実際”カロリーオフ”と表示されているビールでも、350mLで70kcal近く、500mLなら100kcal近くある場合も多くあります。
また日頃から糖質量を気にしている人は、少しでも糖質が少ないものが良いと言えますが、糖分は少ないがカロリーは少なくない、というものがあるのも事実。また最初に述べたように、糖質ゼロと表示されていても、カロリーゼロとは意味が異なります。
「糖質ゼロだから0kcalなんだ」と勘違いされないようにご注意ください。
来たる忘年会シーズン…
お酒と上手に付き合って、健康にお過ごしくださいませ♪