2013年3 月19日
管理栄養士 中居有紀
「新しくできた八王子駅近くの○○スーパーの野菜が安くて種類が豊富なんです!」
「□□でふきのとうがたくさん生えてるから、それを採って頂きました。」
定期的に集い、地元ならではの情報交換タイム。
いつものことながら、こちらは集団栄養相談会の一コマです。
こんな、ちょっとした情報交換の場から生まれていく患者さん同士の関係性をみていると、管理栄養士としてもとても温かい気持ちになります。
そういえば、今月初めに発表された「 平均寿命のトップが男女ともに長野になった 」というニュースがありました。
長野では、野菜を増やしたり減塩に積極的に取り組むなどして、県レベルで食生活改善に改善に取り組んできたそうですが、これに加えて『 公民館活動 』なども盛んに行われているそうです。
地元の人が定期的に集まって協力し合いながら、一つのことに取り組んでいくという点では、集団栄養相談会もこれと通ずるものがあると思います。今後、会に参加することで栄養を『勉強』すること以上に、ますます関係性を育む楽しい場になっていったらと思います。
またそれが、長期的には心の健康、身体の健康、健康寿命の延長につながったら理想的だなと思っています。
さて今回のコラムでは、前回の集団栄養相談会で触れた「食物繊維」に関連して、個人指導の席でもよく質問を受ける「 野菜を先に食べましょう 」と言われる理由について触れたいと思います。
最近テレビや書籍でよく耳にする『食べる順番ダイエット』や『時間栄養学』という考え方。どちらも「食事の時は、野菜を先に食べた方が健康にいい」という考え方をします。どんな理由で健康にいいのでしょうか?
主に2つの理由が挙げられます。
■同じ量でも満腹感を得られやすい
野菜に含まれる食物繊維は、胃の中に入ると水分を吸って体積が大きくなり、満腹感を得られやすくなります。また野菜はよく噛んで食べる必要があるため、早い段階で食べるとその刺激が脳に伝わり、同じように満腹感を得られやすくなり、食べ過ぎの予防につながります。しかも野菜は「低カロリー」。たくさん摂取しても太りにくいことが、ますます肥満予防につながります。
■血糖値の急激な上昇を抑えてくれる
野菜を先に食べると、野菜の(特に水溶性の)食物繊維がブドウ糖の吸収を緩やかにするため、急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。これによりインスリンの無駄使いが抑えられ、糖尿病の予防につながる他、血糖値の変動幅を小さくすることは、老化の予防・アンチエイジングにも働くと考えられています。
あまり厳密に順番ばかり気にして食事が楽しくなくなってしまうのは避けたいところですが、少し頭の片隅に置いておいてもらえればと思います。賢いヘルシーライフのお役に立てますように……♪