医療コラム

■10年後のカラダのために.....

管理栄養士 中居有紀

夏の暑かった時期が終わり、秋めいてくるにつれ、栄養指導の面談中に順調な報告の声を聞くことが増えてきました。心地よい秋風を感じて心身の調子も整い、健康への意識が高まってくる方が増えているようです。ただ栄養指導での傾向を振り返ると、季節に沿った一時的なものではなく『長期的に』順調な結果が出続けている人もいて、このような方には、いくつかの特徴があるように感じられます。

10kg以上のダイエットに成功した人
高かった糖尿病の検査値が右肩下がりの人
ずっと基準値を上回っていた中性脂肪値が基準値範囲内をキープするようになった人…

このような好結果が出続けている人の共通点として、中でも最近多く感じられるのは、栄養指導を受けられた後、次の栄養指導日を迎えるまでの1、2ヶ月の期間の過ごし方の違いです。長期的に好ましい結果が出続けている方の場合、栄養指導の面談中に管理栄養士とともに立てた計画目標を更にご自分で発展させ、目標を見据えてその時の一番自分に合った方法にアレンジされていることが多くあります。

■晩酌時にダラダラ食べていることに罪悪感を覚えたので、酒の量を減らすだけでなく思い切って晩酌の習慣そのものを止めることにした
■運動不足が気になったので、ウォーキングだけでなく前やっていたジョギングを再開したら、気持ちよくて毎日続いている
■野菜を増やすために、好きなキャベツを手軽に増やそうと、スライサーを購入して毎晩食べている

またこのような方々の場合、例え一時的に停滞期があっても、ご自分で考えて試行錯誤しながら次の栄養指導にも臨まれます。このため、栄養指導の時間でもより的確なアドバイスをさせて頂くことにつながり、停滞期を乗り越えやすくなります。

人それぞれですが、皆さん目標達成に向けて、その時々での体調や気分なども考慮しながら、自分に一番合った方法を考えて実践されています。自分で考え出した方法なら、より長続きしやすいもの。栄養指導の席でも出来る限りその方に合った方法を一緒に考えさせていただいていますが、次回の指導日までの期間をより有効に過ごすためには、やはり自分で考えながら実行して行くのが、長期的な成功につながるコツです。


「1年後、そして10年後、ご自分の体がどうなっていたいでしょうか…?」
「今のまま続けたら、その理想の状態になっているでしょうか…?」


今一度考えてみると、今までとは違った新しい行動につながるかもしれません。
当クリニックでは、診察でも栄養指導でも、皆さんの健康意欲のある限り、皆さんが活きるサポートをさせて頂きます。

さて今回は、上記例にもあるように、栄養指導の時間中に夫婦で来られた患者さんが実践されていた『キャベツ』の食べ方についてです。


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■ 副菜にキャベツを
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栄養バランスを整える基本は、
[1] 主食(ご飯・パン・麺 / 炭水化物)
[2] 主菜(魚・肉・卵・豆類 / タンパク質)
[3] 副菜(野菜・海藻・きのこ / ビタミン・ミネラル・食物繊維)
の3皿を揃えること。

この副菜(サブのおかず)の位置を、豆料理や卵料理系のタンパク質源メニューにする方が多くいらっしゃいますが、これは『野菜・海藻・きのこ』の料理とした場合と比べて、一食のカロリーが約100kcalほど上がります。(例‐五目豆1小鉢:130kcal、キャベツ100g:23kcal)
そのためダイエットや糖尿病などでカロリー制限の必要な方は、副菜のメニューとしてタンパク質源の食品はなるべく控え、代わりに野菜料理を増やすと良いでしょう。特に低カロリーなうえ食物繊維豊富で歯応えもあるキャベツは、少し大きめにザク切りにしたものをよく噛んで食べるように心がければ、満腹中枢が刺激されて余分なカロリー摂取が控えられやすくなります。
また食べる際に、味付けしなければ当然カロリーや塩分は増えませんが、レモン汁や酢、コショウ、ポン酢、ノンオイルドレッシングなどでもOK。ただしマヨネーズや油の入ったドレッシングは控えるようにしましょう。

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■ ビタミンUが豊富なキャベツ
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キャベツには、胃粘膜を保護するビタミンUが大量に含まれています。このビタミンUは、キャベツから発見されたビタミン様物質の一種で、「キャベジン」とも呼ばれ、レタスやセロリにも多く含まれます。胃薬の名前にもあるように、胃腸の粘膜の修復に必要なタンパク質の合成に必要なビタミンです。
千切りのキャベツがとんかつの付け合わせとしてよく登場しますが、消化の劣るとんかつと胃の粘膜を強化するキャベツの組み合わせは、理にかなっているといえるでしょう。
ただし胃炎や胃潰瘍がある場合は、消化がよくない「生野菜」よりも「加熱調理」する方がベター。ビタミン類の一部が熱で失われますが、火を通すのがオススメです。


健康な食生活を送っていきたい方は、お気軽に当クリニックスタッフまでお声かけください。

 (№.26)

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