2011年10 月20日
管理栄養士 中居有紀
年間、1000回近くの栄養指導を担当させて頂いています。
対象者の年代は
10代
から、
90代
まで。
対面で、その方に合ったより良い食事の仕方についてお話させて頂いています。
専業主婦の方がいれば、仕事盛りのビジネスマンの方、電車の車掌さん、学校の先生、歯医者さん、板前さん、トラックの運転手さん、学生さん、トリマーさん、哲学者まで……
たくさんの職種の方のお食事についてアドバイスさせて頂いてきました。
中でも、例えば生活時間が不規則で食事場所も限られている『電車の車掌さん』の場合は、より短時間で準備ができたり持ち運びし易い食事の中での栄養管理が必要になります。また昼食が給食である『学校の先生』は、例えダイエットをしたくても、育ち盛りの子供と同等の高カロリーの食事を残さずにしっかりと食べざるを得なかったりするので、それを考慮したうえで、一日トータルで考えていくことが必要になります。
また仕事だけでなく、「お友達との付き合いで」「小さい子供がいるから」「嫁との関係で」など、本人を囲む人間関係とも大きく関係しているのが、『
食生活
』です。
栄養指導をさせて頂くと、それは「栄養」のことだけで話を済ませるのは到底難しく、生活の部分に必ず関わってきます。
生活と人間関係
が密接に関わっていて、「
食べること
」は「
生きること
」なのであるのを日々感じますが、これは言い換えると食事をきちんと行うこと=生きることを充実させること、になるのかもしれません。食生活を良くしたことで生活が良くなり、喜んでいる方々にたくさんお会いしてきました。
「最近体が重いな?日常が満たされていないかな?」と感じたら、食事を見直してみるのもいいかもしれません。大好きな家族、仲間と素材の生きた食卓を楽しく囲むことで、生活が満たされます。
食欲の秋と云われる今。
網焼きしただけできのこがおいしく食べられるのは、旬の今こそ。
炙って香りを楽しんで、食卓に並べてみてください。
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■ 日本でのきのこ
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よくスーパーで見かけるきのこといえば、しいたけ、しめじ、まいたけ、えりんぎ、まつたけ、えのきなど。旨味や香り成分の種類や量、肉質などで味が左右されます。しいたけなどの多くのきのこはグルタミン酸という旨味成分を多く含み、昆布のグルタミン酸と混ざると数十倍に旨味が強くなるため、シイタケと昆布でだしをとると非常においしくなります。
日本は四季がはっきりしており、国土の森林面積が広く、多種類のきのこが発生するため、日本人は世界中でもきのこの好きな民族です。
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■ きのこの栄養素は?
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食物繊維、ビタミンB群、ビタミンD、ミネラル
などの栄養素を豊富に含むうえ、
低カロリー
食品です。特に不溶性食物繊維が多く、腸内の通過時間を早め、便秘解消に役立ちます。また食物繊維は、水分を吸うとお腹の中で膨らむという性質から、過食を抑えることにも役立つでしょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の健康維持にも役立ちます。ビタミンB群は、糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変える働きがあります。他にも『しいたけのエリタデニン→コレステロールを下げる働き』『しいたけやまいたけのβ‐グルカン→免疫機能活性化作用』『エリンギのトレハロース→骨粗鬆症改善作用』などが報告されています。