医療コラム

プラスαの知識が、食卓をよりヘルシーに

管理栄養士 中居有紀

 本日も素敵なご夫婦が、「ダイエットをしたい」と栄養指導を受けに来られました。

 ご夫婦や親子、家族連れで栄養指導を受けていただくことも多々ありますが、その食事の『つくる人』と『食べる人』の間の関係には、そのご関係ならではの独特の意味があるのを感じさせていただいています。
 たとえばある夫婦にとっては、奥様のつくった手料理が「ありがとう」や「ごめんね」のサインであったりします。旦那様の大好きな揚げたてのから揚げを、「さっきはごめんね」の意味を込めて静かに食卓に並べる。他にも親子間、夫婦間等における食事の役割は様々あると思いますが、恐らくそんなことが、人と食事の歴史の中で繰り返されてきたのだろうと思います。

 気持ちの込められた食べ物が大切な役割を果たしている反面、栄養的にはこれが生かしきれていないもったいない状況もあるように感じます。今まで『食育』の授業がなかったためか、栄養の教科書の基礎ページに載っているようなことが、実際にはほとんど実践されずに料理されていることが大半であるように感じます。(*)「同じ食材でもカロリーをグンと下げる料理法」や、「同じ値段でもその時の身体により合った野菜」、またせっかく作るのであれば偏りのないメニュー構成にしたいものですが、その「バランスの整え方」についてもほとんど知られていません。バランスのとれた食事の方がやはり身体の調子も良くなるものです。


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■ バランスのいい食事って?
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 バランスのいい食事は、明確な定義はありませんが、その指針は『食事バランスガイド』や『6つの基礎食品群』などで幾つか示されています。中でも簡単な方法は『3つのお皿(主食・主菜・副菜)を揃える』方法。
 主食・主菜・副菜の3つのお皿を揃えると、自然にバランスメニューになります。

◇主食
ごはん、パン、麺など主に炭水化物の供給源。
◇主菜
魚介や肉、卵、大豆製品が主材料のメイン料理。主にタンパク質源。
◇副菜
野菜やきのこが主材料のサブのおかず。主にビタミン、ミネラル、食物繊維源。
※主食や主菜はそれぞれ「1品」が原則、2品以上とると食べすぎです。
 
 これに汁物や漬物、果物を添えると立派な献立になります。
 またお弁当にも「主食・主菜・副菜」を揃えれば、バランスが整います。表面積比で3:1:2になるようにするといいでしょう。

 カレーや麺類などの料理でも、「肉だけでなく野菜の具もたっぷり入れたカレーにする」「チャーシューめんよりは五目めんにする」などとすると、主食+主菜+副菜の形に近づき、偏りをなくすことができます。サラダなどの野菜料理を添えるのもいいでしょう。
(ただし、主食・主菜・副菜を揃えたうえで、更に3つのお皿とも「適量」に摂ることも大切です。これら適量などについては当クリニックの栄養指導にてお気軽にお尋ねください。)

 日々のお料理や外食時のメニュー選びで、バランスを考えることが習慣化されれば、よりヘルシーな体に近づいていきます。
(*)カロリーや野菜については、過去コラム(’10.10月編&9月編)等をご参照ください。

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