医療コラム

復興に向けて

管理栄養士 中居有紀

 東日本大震災から10日が経とうとしています。
 まずはじめに、このたび発生した「東日本大震災」により被災された方々、並びに関係者の方々に対しまして、心からお見舞い申し上げます。
 また被災者の救助に全力を尽くしていらっしゃる方々に敬意と感謝の意を表すとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

 地震当時、当クリニックのある八王子市は、震度5弱が観測され、なかなか立っていられないような揺れ方でした。地震から4日目には計画停電が発表され、それと同時にスーパーから多くの食料品が消えていきました。食料の大切さを再確認すると共に、このような時こそ身体の力が失われないよう、効率よく栄養摂取をして栄養状態を維持していきたいものです。

 今回のテーマは、この限られた食料を使って簡単に栄養状態を維持する方法についてです。


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■ 適量のタンパク質の確保を
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⇒利用例)魚の缶詰、ゆで卵、煮豆など

 いわゆる元気の素といわれる、筋肉や免疫力の素となる主要な栄養素は、タンパク質です。今の時期のような食料不足になりそうな時ほど、元気の素になるタンパク質をとることを心がけてください。本来、タンパク質は毎食時必要なものです。
 主なタンパク質源といえば魚、肉、卵、大豆製品ですが、現状は食料が不足しつつあり停電で冷蔵品の管理もしずらい状況です。魚の缶詰の他、卵はゆで卵にしておいて後で手軽なタンパク質源として使うことが出来ます。また加工品として売られている煮豆なども、冷蔵品であるものの一時的なタンパク質源として使えるので、利用しやすいでしょう。


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■ 野菜からビタミンも確保
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⇒利用例)カット野菜、冷凍野菜、惣菜の野菜など

 今後停電がしばらく続いた場合、食事内容がいつもと変わったり、全体的な摂取不足や、食生活が変則的になるなどして、ビタミン不足になっていく可能性が考えられます。
 ビタミンも身体を働かせる大事な栄養素です。主に色の濃い野菜を積極的に摂るように心がけ、ビタミンを摂取していきましょう。中でも既にカットされているタイプの野菜なら、停電時などでも手軽に利用することが出来ます。
※ビタミンが豊富な野菜:赤・黄ピーマン(パプリカ)、かぼちゃ、切干大根、にんじん、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ


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■ 炭水化物も忘れずに
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 ごはん・麺・パンなどの炭水化物は、代表的なエネルギー供給源となります。
 これらの食品が不足している場合は、適時レトルトも利用して、適当なエネルギー量を摂取していきましょう。


<一食分の一例>
・レトルトごはん1パック
・きんとき豆
・カット野菜のサラダ


 出来る範囲で毎食、カロリーとタンパク質を確保する、そしてビタミンを摂ることを心がけてください。

 栄養状態を維持し、健康的な心身で、日本の復興に向けて活動していきましょう!

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