医療コラム
痛風の予防~飲み会が増えた方に~
2023年12月
管理栄養士 小西
管理栄養士 小西
12月に入り、急に寒くなりました。今年はインフルエンザの流行が例年より多いようです。
手洗いやうがいをして、感染予防に努めましょう。
さて、栄養相談ではさまざまな年代の方とお話をしていますが、特に最近は「飲み会が増えた」というお話を良く聞きます。特にお仕事をしている世代の方に多い印象です。
平日はほぼ飲み会という方、週2~3回の方、出張やイベントがあるときに飲みに行く方、ペースは人それぞれです。
コロナ渦で飲み会が無く、体重が順調に減っていた方はリバウンドの傾向が見られます。
また、飲み会が多い時期には尿酸値の上昇に注意が必要です。
尿酸値が高くなると、痛風になるリスクが高くなります。
今月は、痛風の予防について説明していきます。
痛風の予防(高尿酸血症を防ぐ)
・たんぱく質をとりすぎない
たんぱく質を多くとると、それに伴いプリン体の量も多くなります。
飲み会では、たんぱく質中心のつまみ(例、焼き鳥、唐揚げ、干物、いかの一夜干し など)が多くなりがちです。野菜が入っているメニューも選ぶように工夫しましょう。
・プリン体の摂取量に気をつける
尿酸のもととなる、プリン体を取りすぎると、尿酸値が上がります。
プリン体の多い食品の代表的なものは、レバー、カツオ、マイワシ、干物、です。
肉や魚からとった出汁を使ったラーメンのスープや、鍋物の汁にもプリン体が入っていることがあるので
飲み干さないように注意しましょう。
・アルカリ性食品の摂取
尿が酸性になると、尿路結石ができやすくなります。そのため、アルカリ性の食品を取ることが大切です。
梅干、わかめ、ひじき、大豆、ほうれん草など、海藻や野菜を積極的にとりましょう。
・アルコールを適量にする(純アルコールで約20g)
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、節度ある適度な飲酒量は
一日平均純アルコールで約20gとされています。適量は以下の通りです。
・ビール(アルコール度数5度)500ml ・日本酒(アルコール度数15度)1合180ml、
・ウイスキー(アルコール度数43度)60ml・焼酎(アルコール度数25度)110ml
・ワイン(アルコール度数14度)180ml ・缶チューハイ(アルコール度数7度)350ml
ビール以外のアルコールであっても、アルコール自体が尿酸の排泄を悪くしてしまいますので、
適量を守ることが大切です。
・アルコールと水を一緒に飲む
アルコールには利尿作用があり、尿量が増えて身体は脱水傾向になります。
脱水傾向になると尿酸値が上がり、痛風になりやすくなります。そのため水を一緒に飲むことがとても大切です。患者さんの中には、最初に水を飲んでからアルコールを飲むように心がけている方もいますので、
忘れがちな方にはオススメです。
飲み会は人とのコミュニケーションをとる良い機会です。
節度を持って、健康的な飲み会を心がけましょう。
今年もコラムをお読みいただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。