医療コラム
ぶりの栄養
2023年2月
管理栄養士 小西
管理栄養士 小西
あっという間に2月ももう終わり、3月を迎えます。
寒い日もありますが、暖かい日も増えているように感じます。
さて、皆さんは肉と魚どちらを多く食べますか?
栄養相談を受けている方にお聞きすると、「肉」と答える方が多いです。
理由としては、肉のほうが安価で調理も簡単。魚は、調理が難しい、骨を取って食べることが面倒、値段が高い…とおっしゃる方がほとんどです。
でも本当にそれで良いのでしょうか?
健康を維持していくためには、魚の摂取は必要です。
今月は魚の中でも今の時期が旬の「ぶり」に注目してお伝えしていきます。
ぶりの栄養
・多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)
ぶりには、多価不飽和脂肪酸といわれるEPA・DHAが多く含まれます。青魚に多く含まれていますが、ぶりは多価不飽和脂肪酸の含有量がトップクラスです。
善玉コレステロールを上げる働きや、中性脂肪を下げる働きがあります。
そのため、動脈硬化の予防に大活躍します。
・タウリン
タウリンは、肝臓で胆汁の生成を促進する働きがあります。胆汁の生成過程では、体内のコレステロールが消費されるため、コレステロール値を正常に保つことが期待されます。
また、タウリンは肝臓のアルコールが分解されてできる、アセトアルデヒドの処理を早め、解毒に役立っています。
・たんぱく質
ぶり(生)の100g当りのたんぱく質量は21.4gと豊富に入っています。エネルギーは100g当たり257kcalと魚の中では高めです。そのため、1食の目安量は片手に乗り切るぐらい(80g程度)が適量です。
・カリウム
ぶりには100g当たり380mgのカリウムが含まれています。カリウムは、筋肉の収縮を調整したり、ナトリウムの排泄を促進することで血圧の上昇を抑制したりします。
・ビタミンD
ビタミンDは腸管からカルシウムやリンの吸収を促進し、骨を強く維持することに役立ちます。また、血中カルシウム濃度を一定に保つ働きをします。
不足すると、骨粗しょう症や骨軟化症のリスクが高くなります。
身体をつくるための栄養素も豊富に入っている「ぶり」。
生活習慣病の予防にも非常に役立ちます。
魚離れをしている方も多いと思いますが、ぜひ「ぶり」を摂取し、健康管理をしていきましょう。