医療コラム

今が旬!アスパラの栄養


2018年5月
管理栄養士 中居 有紀

爽やかな気候の日も多くなり、クリニック前の湯殿川河川敷には
鮮やかなピンク色のつつじが、華やかに演出してくれています。

この時期においしい春の食材はたくさんありますが、その一つがアスパラ。
意外と自家栽培されているご家庭も、少なくない野菜です。

そんなアスパラ、栄養価がとても高いのをご存知でしょうか?
アスパラの魅力を今一度、ご確認ください!






アスパラガス

南ヨーロッパから西アジアにかけてが原産の、アスパラガス。
日本でも人気ですが、ヨーロッパではアスパラガスが“春の訪れを象徴する野菜”とされ、
季節の風物詩であるそうです。
日本に「桜前線」があるように、ヨーロッパには「アスパラガス前線」があるとか。
すごく人気の高い野菜のようです。

ただしヨーロッパでは、アスパラガスの生産量の7割近くが「ホワイト」かつ「生食用」。
陽光を浴びてすくすく成長するグリーンアスパラと違い、
芽が出る前に土をかぶせて遮光して、軟白栽培されてホワイトアスパラは育ちます。
(栄養価がより高いのは、ホワイトよりグリーン!)

古代ギリシャ時代から栽培されていましたが、日本に伝わったのは江戸時代。
そして大正時代に北海道で、食用としての栽培がスタートしました。





アスパラの栄養

ホワイトアスパラもおいしいけれど、より栄養価が高いのは陽光を浴びて育ったグリーンの方。
抗酸化力が高いのも注目すべきポイントです!

アスパラギン酸
疲労回復作用を持つことで知られる、アミノ酸の一種。
アスパラガスから発見されたことにちなんで命名された。
クエン酸回路に働きかけ、疲労物質である乳酸をエネルギーに変えるサポートをする働きを持つ。
即効性のエネルギー源であり、スポーツドリンクなどにも配合されている。
ほか、体液のミネラルバランスを整えて体調を整えたり、利尿作用などの働きがある。


グルタチオン
強力な抗酸化作用(体のサビ取りをする働き)を持つ、3つのアミノ酸からなる化合物。
特にアスパラの穂先に多い。
その強い抗酸化作用により、老化や、動脈硬化、ガンなどのあらゆる病気の予防に働くとされている。
美白効果や老化を防ぐためなどの目的で、このグルタチオンの点滴を行っている医療機関もある。





ルチン
強力な抗酸化作用 を持つ、色素成分フラボノイドの一種。
その抗酸化作用により老化予防などの働きがあるほか、血流改善や毛細血管を丈夫にする働きもあり、出血性の疾患や、動脈硬化の予防などにも働くと考えられている。
水溶性で水に溶ける性質があるため、アスパラを茹でるよりは、蒸したり炒めたりする方がルチンの損失が少ない。



グルタチオンやルチンといった、強力な抗酸化成分を多く含むアスパラガス。
年中スーパーで見かけますが、旬の今こそおいしく、体にやさしくお召し上がりください♪