医療コラム
魚と栄養
2017年10月
管理栄養士 森 幸恵
秋の魚といえば、サンマ。今年は不漁だったようですが、皆さんは召し上がりましたか?
栄養士が魚の話をする時は、「青魚のお勧め」が多いです。
サバやイワシといった青魚の脂には、DHA EPAなどのいい成分が含まれています。
子供に食べさせると頭が良くなるなど、言われていますね。
大人の方にとっても魚の脂は、血液中の脂質の改善や血液サラサラの効果が期待できます。
青魚に限定せず、魚全般は食材としてお勧めです。
15年程前に、マグロなどの大型魚に含まれる水銀が問題になりはじめました。
現在も、妊婦さんが特定の魚をたくさん食べないように制限されています。
(詳細を知りたい方は厚生労働省のサイトをご確認ください。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/051102-1.html#04 )
逆にしらすのように小さな魚には、カルシウムが多く含まれますが、同じ重量当たりで考えれば、大きな魚よりもコレステロールが多く含まれています。コレステロールを制限されている方にとっては、気になってしまいます。
このように良かれと思って食べていた食材に新しく問題が提起されることは時々あります。
食品にはそれぞれ、良い特徴と悪い特徴がありますが、リスク分散を考えて、色々な種類の魚を食べるようにするのがオススメです。
魚食のメリット
・ 良質な(人の体に近い)たんぱく質が含まれる・ タウリン、アスタキサンチンなどの生活習慣病予防物質が含まれる
・ カルシウムの吸収を良くするビタミンDが含まれる
・ 魚の脂には、動脈硬化予防につながる成分が含まれる
・ 魚食はがんリスクを下げる可能性があるとされている
・ 骨を取りながら食べることで、ゆっくり食べることにつながる
・ 旬の魚を選ぶことで、食卓に季節感が出る
魚食のデメリット
・ 魚が育つ場所によっては、環境汚染の影響を受ける・ 食物連鎖(大きな魚が小さな魚を食べる)ことで、有害物質が濃縮されることがある
・ 魚の骨は、喉などに刺さりやすい
・ 体質によっては、アレルギーが出る人もいる
・ お肉よりも調理を面倒に感じる人が多い
私は魚が大好きです。旬の魚をおいしく食べましょう♪
(No.86)