2015年3月20日
管理栄養士 中居有紀
3月も半ばを過ぎ、本格的な花粉の時期になりました。
栄養指導の席でも、「花粉が飛んでるから、なかなか運動したくても出来なくて…」というお話を聞くことが多くなっています。
クシャミ・鼻水・目のかゆみ…と、なかなか侮れない花粉症の症状。
目前の春に向けて、快適に心地よく暮らしたいものです。
さて、先月の栄養学講座では、花粉症やアレルギー関連について扱いました。
アレルギーが起きる仕組みを考えると、それに沿って、アレルギーを悪化させないような食事に工夫することが出来ます。
その一つが、油のとり方。
アレルギー体質が気になっている方は、ご参考にされてみてください。
アレルギーを引き起こす油の種類
花粉症やアトピーなどのアレルギー症状を引き起こす原因になるものに、アラキドン酸というのがあります。体の中にアラキドン酸が溜まると、アレルギーの症状につながってしまいます。
このアラキドン酸は、オメガ6系の油からつくられるもの。
つまり、アレルギー症状を起こさないようにするには、オメガ6系の油を減らしていく必要があります。
オメガ6系の油って…?
油の種類の一つ。正確には、不飽和脂肪酸の分類の一つで、代表的なものが、「リノール酸」。
体の中で細胞膜を作ったり、エネルギーとして働くため、健康を維持するためにも必要なものですが、近年の食事の欧米化によって、必要以上に摂りすぎる人が多くなってしまいました。必要以上のオメガ6系の油は、アレルギーを体の中に起こしやすくしたり、また血栓促進作用があり、動脈硬化を促します。
オメガ6系の油が多い食品・少ない食品
オメガ6系不飽和脂肪酸、特にリノール酸が多いのは、
・ベニバナ油
・ひまわり油
・大豆油
・コーン油
・ごま油
・グレープシードオイル
・マヨネーズ 等
逆にオメガ6系不飽和脂肪酸が比較的少ないのは、
亜麻仁油やエゴマ油、シソ油の他、青魚の油。
オリーブオイルも、中では比較的少ない方です。
油を使う場合は、これらを使うと良いでしょう。
また市販の炒め物や揚げ物(フライ・天ぷら・唐揚げ)も、リノール酸がたっぷり使われている可能性大。アレルギーが気になる方は、こういうものを控えめにして、魚や野菜・海藻等を使った和食中心の食事にした方がいいでしょう。
ご存じのように、油はカロリーも高く、摂りすぎればメタボ・生活習慣病につながっていくものです。アレルギーや体重が気になっている方は、この春こそ、油の量や質に気を付けてみてくださいね。
今回もお読みいただきありがとうございます☆
(No.55)