医療コラム

恵方巻で、今年一年も健康に

管理栄養士 中居有紀

あけましておめでとうございます。
 2011年が始まり、まだまだ寒い時期が続きます。

 『正月太り』に関する記事を何回か目にしましたが、平均的には1―2kg、体重が増えた方が多いようです。
 暴飲暴食は好ましくないものの、季節の食事を楽しむのは身体や心にとっても必要なことでしょう。

 当院には、健康的に食を楽しんでいる来院者の方々がたくさんいます。
 先日も「ブロッコリーや蓮根の季節だから、次のコラム(院内設置コラム)はそれについて書いて!栄養の記事を読むのを待っているよ。」と声をかけて下さる方や、「うちの畑で野菜を栽培して、たっぷり野菜は摂っているの。美味しいものが大好きだから。」とおっしゃる方・・・と、その食を楽しむ姿勢に学ばせて頂くことも多々あります。

 今年も楽しく健康的に、食で身体を造り、日々の予防に役立てていきたいものです。

 今回のテーマは、2月に迎える節分、中でも特に『恵方巻』についてです。
 
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■ 恵方巻とは?
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 節分の夜に、その年の恵方(2011年は南南東)に向かい、太巻きを丸かじりする習わし。
 かじっている間は、目を閉じて一言も喋らない。
 無病息災や商売繁盛などの願い事を思い浮かべながら、丸かぶりするもの。
 切らずに食べるのは、「縁を切らない」という意味も込められているとも云われています。

 太巻きの具は、七福神に因んで、7種類の具。
 ・かんぴょう ・穴子/うなぎ ・しいたけ ・だし巻き ・きゅうり ・でんぶ ・高野豆腐 が主な具。

 …これで、より多くの福が呼び込めるとされています。


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■ 恵方巻の栄養
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 市販の恵方巻では、400―600kcalのものが大半のようです。
 これは、女性用ご飯茶碗の2、3杯程度に相当します。
 
 内訳としては、多くをすし飯のご飯が占めているので、炭水化物のエネルギーだけで7割近くを占めているものが大半。その他は入れる具材にもよりますが、卵や穴子が入っていればタンパク質や脂質分が摂れます。

 一番不足し易いのは、野菜。そのためビタミンやミネラルの栄養素が不足しがちです。恵方巻を食べる際は、一緒に野菜たっぷりの具だくさん汁や、青菜のおひたし、サラダ、野菜の煮物などの、低カロリーな野菜の副菜を組み合わせるなどして、野菜を補うようにするといいかもしれません。



 元々は、関西の伝統行事であった恵方巻も、今や全国的にもその認知度は9割を超えるとも云われています。

 食べると無病息災も叶えられるかもしれない、恵方巻。1月7日に七草粥を食べ損ねた方は、今度は恵方巻に一年の無病息災への想いを託して、食の季節行事を楽しむのもいいかもしれません。

 今年も健康的な食を楽しみ、元気な身体と心をつくりましょう。