医療コラム

太らないお肉の食べ方とは?

2015年12月19日

管理栄養士 中居有紀

 

街の至る所で、クリスマスツリーを見かける季節になりました。
寒さも増して、冬も本番…!
 

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さて生活習慣病の患者さんも多く通院されている当クリニックでは、
血液検査で『中性脂肪高め』となっている方も少なからずいらっしゃいます。

そういう方は「お肉が好き」「お肉をよく食べる」という方が大半ですが、
中でも料理される方からよく聞かれるのが「お肉はやっぱり鶏肉の方がいいんでしょう?」「ささみの方がいいんでしょう?」というもの。

これはまさにその通りで、中性脂肪が高い方は牛・豚肉よりも鶏の方が向いています。
また部位はささみが一番、向いています。

もうすぐクリスマス。チキンを食べる方も多いでしょうか。
年末年始にかけては、お肉など豪華なお食事が増える時期です。

食べると元気が湧いてくるお肉は栄養もたっぷりですが、栄養たっぷり過ぎてメタボになっては困りもの。
食べたいままに食べるより、ちょっと賢く食べましょう!


今回はその お肉の食べ方 についてがテーマです。

 

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■  お肉の栄養って?

お肉には主に、○筋肉や免疫力のもとになる タンパク質  ○血液のもとになる 鉄分  ○体内でのあらゆる反応を助ける ビタミンB 12 が多く含まれています。血や肉となったり、免疫力のもととなったり、まさにお肉は活力源!

ただしお肉は油分が多いのでカロリーも高く、少し食べ過ぎるだけで太りやすくもあります。メタボの気になる方は、お肉の量は 1食70 80g が目安。これはお買い物のとき 2人分なら150g のお肉パックを、 3人分なら230g のお肉のパックを買うイメージです。

また血液ドロドロにならないように、意識して油の少ない部位・料理法を選びましょう。


■  どの部位がいいの?

冒頭にも書いたように、鶏肉のささみは、中性脂肪を下げたい方、メタボを気にされている方には向いています。というのも中性脂肪やコレステロールを上げたり、脂肪の材料となる「 飽和脂肪酸 」、これが鶏ささみは非常に少ないからです。
鶏ささみの他には、牛・豚肉のヒレ、鶏のひき肉、また皮を除いた鶏もも肉も飽和脂肪酸少なめです。

飽和脂肪酸は基本的には
鶏<豚<牛  の順に多くなっており、

また部位別では、牛・豚の場合は  ヒレ<モモ<ひき肉<ロース<バラ
鶏の場合は   ささみ<もも皮なし<ひき肉<胸皮付き<手羽<もも皮付き
の順に多くなっています。


同じ肉量で比較した時の飽和脂肪酸が多い方から順に…

<多>

牛ばら肉

牛リブロース

豚バラ

牛肩ロース

豚ロース

豚肩ロース

牛モモ

豚ひき肉

牛ひき肉

鶏もも皮付き

鶏手羽

豚モモ

鶏胸皮付き

鶏ひき肉

牛ヒレ

鶏モモ皮なし

豚ヒレ

鶏ささみ

<少>

となります。


数あるお肉の種類の中でも、ささみはやはり断トツで低脂肪・高タンパク!

 

そして経済的。
そぎ切りにして野菜と炒めたり、一口大にして照り焼きに、ただ炒めて塩コショウで味付けだけでもOK!
鶏ささみ、なかなかオススメです。



■  料理法でカロリーは変わるの?

料理法だけで、カロリーは格段に変わります。
これは油の量の違いがカロリーに大きく影響し、

網焼き < ゆでる・煮る < 炒める < 唐揚げ < フライ

の順にカロリーが高くなります。

 

例えば100g(183kcal)の豚もも肉が、
網焼きなら   130kcal
炒めると     190kcal
フライにすると  340kcal
揚げることで3倍近くカロリーUP!


お料理する際も外食の時も、
メタボが気になる方は、唐揚げやフライはなるべく避けて、炒め物程度に留めておきましょう!

 

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年末年始、一年で最もメタボ化しやすい時期です。
上記を思い出して頂いて、少しでも健康に新年を迎えて頂ければうれしいです。

今年もコラムをお読みいただきありがとうございました。
よいお年を、お迎えください。

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No.64