医療コラム

目の日焼け予防に働く食材は?

2016年5 月20日

管理栄養士 中居有紀

 

「紫外線を浴びすぎると、白内障が怖いよね」
今月の集団栄養指導で紫外線に関する話題に触れたときに、参加者から聞こえてきた声です。

紫外線もとい太陽の光…これには骨を丈夫にしたり、自律神経を整えて心身のあらゆる体の調子を良くするなど、良いことがたくさんある反面…
シミやシワなどの肌トラブルのもとになるほか、目の水晶体のタンパク質を濁らせてしまい、白内障の原因になることもあります。WHO(世界保健機関)によれば、白内障の約20%は紫外線が原因だと推定されています。

太陽の光は適度に浴びつつも、白内障の対策もしないに越したことはありません。
そこで今月は、『毎日の食事から出来る紫外線対策食』についてお伝えします。

 

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白内障を引き起こす原因は、紫外線によって目の水晶体タンパク質が酸化されてしまうこと。酸化されて性質が変化してしまい、目の水晶体が濁って白内障となるため、その酸化から目を守ってくれる“抗酸化食材”を意識して摂ることが大切です。
※抗酸化食材は紫外線対策だけでなく、身体全体に働き、動脈硬化やガンなど多くの生活習慣病予防にも働きます。

 

 

 

抗酸化力の高い食材

 

ごはんやそうめんよりも、お蕎麦!

蕎麦に豊富に含まれるポリフェノールの一種、ルチンやカテキンが抗酸化作用を持っています。これから紫外線の強くなる季節、炭水化物はごはんやそうめんよりも蕎麦がオススメ。抗酸化力の高い野菜―ナスやトマト、アスパラなどをのせてそばつゆとともに、野菜たっぷり冷やし蕎麦としたりすれば、抗酸化力が増強されるうえに野菜もたくさん摂れて一石二鳥!

 

肉よりも魚、アジやサンマを

おかず、タンパク質源は肉よりも魚?特に青魚を食べましょう。青魚の油にはDHAやEPAという不飽和脂肪酸が多く、抗酸化力作用が働きます。サンマ、カツオ、アジ、サバ、イワシ、ブリなど。積極的に摂りましょう!また飽和脂肪酸の多いばら肉などの肉類は青魚と逆の働きをしてしまうので白内障などの紫外線対策は期待できません。

おかずはなるべく青魚が◎。

 

色の濃い夏野菜も補給!

夏野菜にも抗酸化力の高いものがたくさんあります。ナス、トマト、ピーマンやパプリカ、水菜など。迷ったら色の濃い野菜を選びましょう!色素に抗酸化成分がたっぷり詰まっている場合が多く、紫外線対策に向いています。ナス・ピーマン・トマト、全て食べやすい大きさに切ったらオリーブオイル・ニンニク・黒コショウで炒めたりしてもOK(※トマトは後から入れる)、まとめて抗酸化力強化できちゃいます!

 

フルーツを添えるならベリー系

フルーツを摂るなら、ブルーベリー、ラズベリー、イチゴなどのベリー系が◎。どれも抗酸化力高めのフルーツです。

 

飲み物からも抗酸化力アップ!

飲み物にも抗酸化力を高めるものがあります。カテキンの多い緑茶、リコピンを含むトマトジュース(できれば添加物の入っていないもの)、ルチンの豊富なそば茶やルイボスティーなど。

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食事は、薬と違って即日効果を発揮するものではありませんが、毎日の心がけが1日1日、確実に体をつくっていきます。
ここまでに挙げた食材も、明日すぐに白内障や動脈硬化を治すわけではありませんが、少しずつ取り入れてみてください。3カ月後、1年後、10年後の元気のもとになっていきます。

心地よい体づくりのお役に立てますように♪


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