医療コラム

お酒のおつまみに枝豆が向いているワケ

2015年8 月20日
管理栄養士 中居有紀


今年も夏のお盆が過ぎました。
クリニック前を流れるゆどの川では、毎年恒例、

打越まつりの灯ろう流しが行われ、 流した人の想いをのせて、
川面をゆらゆらと灯していきました。

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季節は少しずつ秋へと向かっていますが、
栄養指導でお話をお聞きしていると、
スイカやトウモロコシなどの夏の味覚が、
まだまだ食卓に並んでいるご家庭も多いようです。

中でも患者さんのお話でお聞きすることが多いのが、枝豆。
今年の夏も、少なくとも一度は食べた方が多いのではないでしょうか。

世代を問わず人気な枝豆、
もともとは大豆が熟す前に収穫されたものだったのを知っている人は、
案外少ないのでは…??

8月も後半に差し掛かりますが、
中にはこれから旬を迎える枝豆もあります。
今日はそんな枝豆、もっと美味しく健康に食べるポイントのご紹介です!

 

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美味しい枝豆の選び方のポイント

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こんな枝豆がおいしい!
 ・枝付きのものがベスト!
 ・うぶ毛の濃いもの
 ・緑色が鮮やかなもの
 ・豆と豆の間の「くびれ」がしっかりしているもの
 ・さやがふっくらとしているもの


 

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枝豆の主な栄養3つ
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○メチオニン
枝豆に多い成分の一つ、メチオニンは、アミノ酸の一種。
人間が体の中で作り出せない「必須アミノ酸」のひとつです。
メチオニンは、肝臓の中に入ってきた毒素や老廃物を排除して体の掃除をしてくれます。不足すると肝臓の機能が衰えるため、血中コレステロールが増えて動脈硬化の原因になることも。またアルコールを分解して肝臓を助ける働きがあり、二日酔いの防止に役立つかもしれません。

○ビタミンB1
ビタミンB1は、水に溶ける性質の、糖質をエネルギーに変えるサポートをする栄養素です。ビタミンB1が足りなくなると、糖質を上手にエネルギーに変えることが出来なくなり、疲れやだるさ、夏バテや食欲不振の原因になります。またビタミンB1にもアルコールの代謝を促進する働きもあり、お酒を飲んだ時には補給しておきたい栄養素の一つです。

○鉄分
言わずと知れている、貧血予防の栄養素。血液が体のすみずみまで酸素を運搬したり、筋肉が収縮したり、コラーゲンを合成するのを助ける働きがあります。体内のさまざまな酵素を活性化したり、酵素の成分になったリと、あらゆるところで役立っています。


 

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ヘルシーに枝豆を食べるコツ

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○1日20 30房を目安に

枝豆は、他の野菜と比べると高カロリーなのをご存じでしょうか?
上に書いたように健康に良い栄養素をたくさん含みますが、枝豆はその名の通り「豆」なので、タンパク質も豊富に含みます。更に尿酸値を高め、痛風の原因となるプリン体も多く含みます。
栄養源でもあるため、食べ過ぎると太るもと。食べだすとついつい止まらなくなってしまう枝豆ですが、太ったり血糖値が上がったり尿酸値が上がったリして後悔することにならないように、30房程度までにしておくと良いでしょう。

○使うお塩は、ほどほどに
枝豆をゆでる時に塩を入れて塩ゆでにしたり、茹で上がった枝豆に塩を振って食べる方も多いと思いますが、ついたっぷりとかけ過ぎていませんか?美味しくするために使う、お塩。程よい量の塩分は、対比効果で枝豆本来の甘み(麦芽糖由来)を引き出したり、枝豆を柔らかくしてプリプリとした弾力をつけてくれますが、かけ過ぎると逆効果になってしまいます。枝豆そのものの素材の味・風味を楽しめるように、お塩の量を気持ち控えめにしてみると、塩分のとり過ぎも避けられて、美味しく&健康、一石二鳥かもしれません。


秋が終わるまでは、しばらく旬のおいしい食材が
たくさん出回りそうですが…
体を大切に、美味しく楽しく、残暑を乗り切れますように☆

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