医療コラム

毎日朝ごはん、食べていますか?


2018年4月
管理栄養士 中居 有紀

新年度が始まりました。
新生活が始まった人も、そうでない人も、一日を元気に始める「朝食」、
自信を持っていますか?

4月11日は、語呂合わせから『しっかり いい 朝食の日』とも呼ばれているそうですが、
朝食をとった方がいいというのとは、科学的根拠に基づいて証明されています。

「なんか近頃からだが重い…」「疲れやすい…」
「風邪をひきやすい…」「ふらつくことがある…」
そんな人は、要チェック。

朝ごはんをしっかりとりましょう!





毎日朝食をとると、疲れにくい!?


大学生や成人(2069人)を対象とした研究で…
朝食を毎日食べている人の方が、週に3回以上欠食する人と比べて、
たんぱく質や炭水化物、鉄、ビタミンB1などの栄養素の摂取が
きちんととられていることがわかっています。

たんぱく質や炭水化物は、からだのとても大事なエネルギー源。
不足すると、早く疲れやすくなったり、からだが重く感じられることもあります。

鉄は、広く知られているように、不足すれば、貧血になります。
やはり疲れがとれにくくなったり、めまいや頭痛、また顔色が悪くなることもあります。

ビタミンB1が不足すれば、エネルギーが作られにくくなるため、疲れやすくなったり、
だるいなど夏バテのように感じることもあります。

大半は、疲れることにつながる、朝食の欠食。
疲れやすくなれば、運動不足にもつながり、からだのためには悪循環。
朝食をとって、疲れにくいからだをつくりましょう!


毎日朝食を摂ると、よく眠れる!?


子ども(10450人)を対象とした研究で…
朝食を欠食する子供ほど、起床時刻や就寝時刻が遅く、
睡眠時間が短いという報告があります。

また幼児や中学生、成人を対象とした研究で、
朝食を毎日食べる人ほど、睡眠の質が良い人が多いこと、
不眠の人が少ないことが報告されています。

良質な睡眠をつかさどるホルモン「メラトニン」は、
バランスの良い朝食をとると、夜に生成され、入眠しやすくなります。
特に、魚の和定食などが、メラトニンを生成しやすくします。

夜はぐっすり眠って、日中のパフォーマンスを向上させたい人は、
朝食を見直しましょう!





毎日朝食を摂ると、イライラしにくくなる!?


小・中学生(15686人)や成人を対象とした研究で…
朝食を毎日食べる人は、そうでない人と比較して、ストレスを感じていない人が多いことが報告されています。
また「イライラする」「集中できない」という人も少なく、家族や友人を大切に思う気持ちが強いことも報告されています。


毎日朝食を摂ると、学校の成績が良くなる!?


中学生648人を対象とした研究で…
朝食を毎日食べる子供は、そうでない子供と比較して、通信簿の平均点が高いことがわかっています。
ほかにも、小学生~高校生の学習時間が長いこと、また小学生~成人の体力測定の結果が良いことなどが報告されています。


からだの調子を整え、パフォーマンスも上げてくれる、朝ごはん。
朝起きるのがつらくても、朝ごはんをきちんと摂った方が、
幸せな毎日を送ることができそうです。

明日の朝ごはんから、おいしく召し上がれますように♪