医療コラム

体を温める食品


2018年2月
管理栄養士 森 幸恵
栄養相談では、体が冷えて調子が悪いという話をよく聞きます。
体が冷えると、腰痛が起こりやすくなったり、腸の動きも悪くなるので、寒い時期には特に注意が必要です。

食べ物には、体を温める食品、冷やす食品があります。
体を温めることで有名な食品としては、ショウガやシナモンです。
これらは漢方薬の素材としても使われています。



ショウガは、胃腸を温めたり、吐き気にも効果があるといわれます。
お腹の動きが悪い時に飲む有名な漢方薬にも、乾燥したショウガが入っています。
日常の料理には、スープなどの汁物や料理にすりおろして入れると、味付けのポイントになります。
冬場には特におすすめです。



シナモンは肉桂という植物です。ニッキとも呼ばれます。
漢方薬では肉桂の部位によって、桂枝(ケイシ)と桂皮(ケイヒ)に分かれます。
体を温める効果は共通していますが、詳細な効能は少し異なります。
食品として売られているシナモンは、樹皮を乾燥させたもので、体を温める効果がとても強いです。
シナモンは、シナモンシュガーやケーキに入っていることが多いですが、香辛料として肉料理の風味付けとしても美味しいです。
紅茶に振りかけて飲むのも手軽です。

ショウガにしても、シナモンにしても食品として普通に食べる程度であれば、問題は起こりません。
けれども、体への効果がある食材というのは、大量に摂るとむしろ良くない影響が出ることがあります。
極端な摂りすぎには注意しましょう。

冷たい飲料や食べ物は、体の中から冷やします。
冷え性の方は、冷たい飲み物を控え、体温以上の温かい飲料を飲むようにしてください。
冬場だけではなく、夏の暑い時期にも気を付けていると、体調良く過ごせます。

(No.90)