医療コラム

体を内側から温める食事

2016年1月20日
管理栄養士 中居有紀

 

2016年が始まりました。
今年もよろしくお願い致します。

新年の栄養指導でも早速、
「お正月は食べ過ぎましたよ…」という方がちらほら。

楽しいお正月、少し食べ過ぎるのも無理ないことですが、体に負担になってしまっては逆効果。その後の体ケア(ダイエットも含めて…!)を忘れないようにしてください。

 

さて東京でも二日前の月曜日、雪が降りました。
東京では今シーズン初めての雪に、町では子供たちが喜んで遊びまわる一方で、街のいたるところで終日雪かきをしている大人たちの姿も見かけられました。

雪は止んでも、風が強く空気が冷たい1月後半。
春までもうしばらくの間、体を壊さないよう、食事にも体の内側から温める工夫をして体をいたわっていただけたらと思います。

今月のコラムテーマは、体を内側から温める食事のとり方について。

 

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体を内側から温める食事のとり方

 

■血流を良くすることが体を内側から温める近道

冷えの主な原因は、血行不良。
血液の巡りが悪く、手足の先まで血液が届かないために冷えてしまいます。
また血行不良により筋肉のエネルギーの代謝がうまく行われず、疲労物質が血液中にたまってしまうことも。冷えと同時に肩こりや腰痛、関節痛や足のだるさなどを感じたことがありませんか?これは冷えが大きく関係しています。

 

■血流を良くする代表栄養素は、ビタミンE!

ビタミンEは、末梢の血管まで血液がよく流れるように赤血球を変形させたり、血管を広げて血流を促す働きがあります。
またおもに人の体の細胞膜に存在しているビタミンEは、強い抗酸化作用を持つビタミンの一つです。あらゆる害を与えて老化を促す“活性酸素”から体を守る働きがあり、若返りのビタミンとも呼ばれています。
そんなビタミンEは、油脂類や種実類にもっとも多く含み、中でも植物油に多く含まれています。

 

<ビタミンEを多く含む食品>
ひまわり油、綿実油、アーモンド、ピーナッツ、うなぎの蒲焼、ハマチ、モロヘイヤ、
かぼちゃ、赤ピーマン

 

◎酸化に注意

抗酸化成分のひとつであるビタミンEは、それ自体は非常に酸化されやすいものでもあります。保存する場合は、光に当てないように冷暗所に置き、封を切ったら早目に食べ切りましょう。

 

◎ビタミンAやCと一緒に

ビタミンAやCなどのほかの抗酸化成分と一緒に摂ると、抗酸化作用はさらに強力になります。ビタミンAやCの多い、ぎんだら、あなご、にんじん、ピーマン、ゴーヤ、キウイフルーツなどと一緒に摂ると、より一層働きが強まります。

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■その他の食材選びのポイント

・主食は、体を温める働きがあると考えられているもち米や、ビタミンが多く含まれている胚芽精米のごはんが、適しています。
・主菜は、血液の巡りを良くするビタミンEの豊富な魚―あゆ、さば、ぎんだらなどの魚や、サバ、秋刀魚などの青魚、納豆などの大豆製品が、適しています。
・ビタミンEの他、ねぎやしょうがなどの食材を取り入れまた糖分や脂肪、塩分は控えましょう。糖分や脂肪は血糖や中性脂肪を増やし、塩分は体液を濃くしてしまい、血行不良につながります。

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基本は、偏りのない栄養バランスの良い食事。
そこに、ビタミンEなどの血行を良くする栄養を上手にプラスして。

体を内側から温めて、寒さに負けずにこの冬も健康に乗り切りましょう♪

 

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