医療コラム

野菜を食べる時に意識したい5つのこと

2015年11月20日

管理栄養士 中居有紀

 

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黄葉したイチョウがきれいな時期になりました。
明日・明後日(21・22日)は、八王子いちょう祭りだそうです。
甲州街道の両側に続く770本のいちょう並木が、毎年八王子の街を彩ってくれています。



さて、そんな八王子に位置する当クリニック。
栄養指導では、個人指導も集団指導も行っていますが、
個人指導は、 最近始まったばかりの方からもう5年くらい通って頂いている方もいます。


この理由もさまざま。

なかなか糖尿病改善やダイエットがうまくいかなかったり
リバウンドを繰り返してしまうから続けざるを得ないような方もいれば、
十分食事療法がうまく出来ていて、結果も出せているけれど、それでも
「自分がたるまないために!」と自らを律するために
栄養指導の継続を希望されている方もいます。


いろいろな方がいるので、その人に合った栄養指導をさせていただけるよう
出来る限り考えてお話してはいるのですが・・・

栄養指導に何度か通われ、その後の検査の結果、
思うように健康な検査値が出せた時にこちらが喜ばしいのはもちろんのこと、
患者さんご自身が嬉しそうにされているのを見るとまた
とても嬉しい気持ちになります。

先日も、やはり栄養指導歴もう4 5年になる70代の男性患者さんへの栄養指導でのこと。

血糖値改善を目指すも一時は食事療法に限界を感じて諦めてしまっていたものの、
最近気を引き締めて食事療法に真剣に取り組んだ結果、過去最高レベルの検査値に!
満面の笑みで喜ばれている姿に、こちらも励まされました。


食事療法をきちんと行えば、確かに結果につながります。

中でもその方が頑張っていたのは、
・ごはん(白米)の量を減らすこと(130gに減らしたそうです)
・ジムでの運動回数を増やしたこと
・おかずは野菜を増やすこと
だったそうです。

そこで今回は、中でも 効果的な野菜の食べ方 についてお伝えします。

 

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――野菜を食べるときの5つのポイント

 

1.1日野菜5皿分食べる!

より健康な身体になるためにも、野菜を「1日 350g 以上食べましょう」というのは一度は聞いたことあると思います。この350gというのが、 小鉢5皿分 (1皿野菜70g×5皿=350g)に当たります。例えばほうれん草のお浸しの小鉢1皿分、きゅうりもみの小鉢1皿分。1日小鉢5皿が難しくても、もちろん少し大きめのお皿で野菜を小鉢より多めに使ってサラダや煮物、炒め物からなどで3皿分=350gとしてもOK!
もともとのカロリーが低い野菜は、たっぷり食べてもカロリーが増えにくいのが嬉しいところ。お肉を控えめにして、野菜をしっかり食べてお腹を膨らませられると健康的です。

 

2.意識して色の濃いものを食べる

上記350gのうち、更に 緑黄色野菜120g以上 が目標とされています。
色の濃い野菜は、その色素の部分に体にうれしい栄養素が含まれていることが多く、色の薄い淡色野菜にはない働きがあります。せっかくしっかり野菜を食べるなら、色の濃いものも意識して食べましょう!
緑黄色野菜:にんじん、ほうれん草、小松菜、ニラ、水菜、春菊、シソの葉、ブロッコリー、トマト、パプリカ、オクラなど

 

3. 野菜から先に食べる

野菜から先に食べましょうというのは、聞いたことある人も多いと思います。
実践している人も増えてきているようですが、実際に『ごはんの後にサラダを食べる』よりも『サラダの後にごはんを食べる』方が、野菜の食物繊維が糖の吸収を緩やかにしてくれて、血糖値が上がりにくくなります。また先に野菜に意識を向けることで、自然とごはんの量が減るので結果的に摂取カロリーも減るというデータもあります。
同じ献立の食事でも、食べる順番によって糖尿病や生活習慣病の予防に役立ってきます。意識して野菜から先に食べましょう!

 

4. 加熱も生もそれぞれの良さを生かして!

野菜によって、加熱して食べると良いもの・生食が良いものと、それぞれ違います。
栄養指導の席で「生の方がいいんでしょう?」とよく尋ねられますが、生にこだわる必要はありません。加熱して温野菜や煮物、炒め物として美味しく食べてください。
熱に弱いビタミンCの多いブロッコリーなどの野菜は、熱を加えるとビタミンが減ってしまいますが、逆に緑黄色野菜の多くは油と栄養素との相性が良いことが多く、炒めて食べると栄養素の吸収が良くなります。

 

5.旬の野菜を食べる

ハウス栽培など栽培技術の進歩によって、最近は「旬」に関係なく年間を通していろいろな野菜が食べられるようになりました。が、やはり季節によって栄養価の山があり、栄養価が一番高いのは、出回るのが多い旬の時期。
例えば冬が旬のほうれん草は、ビタミンC量で比較すると、夏採りのもので20mgなのに対し、冬採りのものは60mgと、量に3倍ほどの違いがあります。
これから冬が旬の野菜といえば、水菜、ごぼう、小松菜、大根、ねぎ、(冬)キャベツなど…
冬の野菜を意識して摂りましょう。

 

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鍋も美味しくなるこれからの季節。
野菜をたっぷり入れて、元気の出るおいしい鍋料理でもご堪能ください♪

 

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No.63