医療コラム


かぼちゃの栄養



2021年10月
管理栄養士 小西

10月に入り、暑い日が続いていたと思えば、急に寒くなり、季節は冬へ向かっていると
感じる今日この頃です。

今月10月31日は、ハロウィン。日本でもハロウィンが一つの行事となっていますね。
ジャック・オー・ランタンに使用されているのがみなさんご存知の「かぼちゃ」。
日本人にとっては、かぼちゃは身近な食べ物ですね。冬至に食べることが多いと思いますが、現在はこのハロウィンでも食べられることが多いようです。


今回はハロウィンにちなんでかぼちゃの栄養についてお話していきます。
(日本で出回っているのは、西洋かぼちゃがほとんどのため、西洋かぼちゃについて説明していきます。)







かぼちゃの栄養



・β-カロテン
β-カロテンは身体の中でビタミンAの働きをします。
夜盲症など視力低下の予防や視力低下の抑制をします。
また、目、皮膚、粘膜の健康に役立ちます。そのため、風邪の予防にも役立ちます。


・ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があります。体内の脂質の酸化を防ぎます。
LDL-Cの酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、などに役立ちます。
老化の原因となる活性酸素を取り除く働きもあるため、「若返りのビタミン」とも
言われます。


・GI値が中間ぐらい(炭水化物やイモ類、お菓子類の中では低い)
かぼちゃのGI値とは食後血糖値の上昇を示す指標です。かぼちゃのGI値は65です。
参考までに他の食材と比べてみましょう。
食パン91 チョコレート91 じゃがいも90 大福88 精白米84 山芋75  
とうもろこし75 です。
甘いお菓子や、炭水化物が多いとされている穀物やイモ類と比べて、かぼちゃのGI値が低いことが分かります。
料理のほかにもお菓子作りにも活躍するかぼちゃですが、自然の甘みでおいしく身体に
優しいお菓子も作ることができます。


・カリウム
かぼちゃにはカリウムが100g中に450mg含まれており、カリウムが多い食材です。
カリウムには、筋肉の収縮を調整したり、ナトリウムの排泄を促進し血圧の上昇を
抑制します。
また、ナトリウムと一緒に水分も身体の外に出すため、むくみの予防にもなります。



・中庸の食べ物(陰陽のバランスがとれている)
マクロビオティックの観点から、かぼちゃは中庸の食べ物とされています。
中庸とは陰にも陽にも偏らず、バランスのとれた食材です。中庸の食材を摂っていると、心身ともに調和がとれていきます。特に、季節の変わり目となる、秋から冬にかけてかぼちゃのように丸く中庸の食材をとると良いと言われています。






気温が低くなったため、食欲が旺盛になり、甘いものに手がでてしまう…というお話をされる方が多くなったように感じます。そのようなときには、お菓子ではなくかぼちゃを食べてみてはいかがでしょうか。
たくさんの栄養が詰まったかぼちゃをぜひお楽しみください。