医療コラム

【8月】ストレスからカラダを守る食生活

2013年8 月20日

管理栄養士 中居有紀

 

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熱帯化している

…お天気ニュースでそんな風にも言われている、暑い暑い今年の東京の夏。それでもクリニックには毎日たくさんの患者さんが定期診察に足を運んでは、元気なお顔を見せてくださっています。

栄養指導の席にもまた同じように、あらゆる年代の方が通ってきてくれていますが、定期的に通っていただいている方の中に、とても心配な方がいます。

 

仕事盛りの40代男性、次回で4回目の患者さん。

もとは肥満で中性脂肪値やコレステロール値が高いことから、医師から栄養指導依頼がやってきました。

 

生活状況をお聞きしたところ…

・以前スポーツジムに通っていたが、そこのトレーナーに止められるほど、身体がボロボロになるまでストイックに運動する癖があった

・毎晩かなり濃い目のブランデーをお湯割りで呑んでいる。喉が焼けつくような感じが心地いい

・毎晩スナック菓子を1袋食べている

 

さらに「自分はなんでも壊れるまで使う性格」なのだそうです。

お話を伺っていると、身体に過度の負担がかかる生活ばかりを無意識に好んでいるようでした。結果的に体が悲鳴をあげ、メタボ化。

 

何に対しても『ボロボロになるまでやる』癖の行き過ぎが積み重なり、40代になって体が壊れてきているような印象がとても気になり、ご自分の身体をもっといたわってもらうようお伝えさせて頂きました。

 

これは極端な例だと思いますが、特に仕事盛りの男性はこのような傾向が強いようです。本来身体を養ったり、味を楽しんだりするための食事なのに、無意識に身体に負担をかける癖がついている方を見ると、とても勿体なく感じてしまいます。特にストレス環境下にある方ほど、1日3回の食事で程よく緊張感を緩め、身体にやさしい生活で更に質の高いパフォーマンスを発揮して頂けたらと思います。

 

そこで今回は、“リラックスの神経”といわれる 副交感神経 を適度に刺激するために考えられている食事の仕方について、3つご紹介です。

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* * * * * * *

 

1.食事に時間をかける

食事をすると誰でも副交感神経はあがりますが、時間をかけてゆっくり食事することで、さらに副交感神経が活性化されます。毎日は無理でも、休みの日だけでも“ゆっくり食べる”ように意識してみましょう。

 

2.カフェインの摂りすぎに注意

眠気を払いテンションを高める効果があるとされ、栄養ドリンクにも多く含まれるカフェインは、摂りすぎると過剰に交感神経を刺激して体を緊張状態にしてしまいます。カフェインはコーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶などに多く含まれます。タイミングを選び、体が副交感神経優位になる夜などは、カフェインの入っていない水・麦茶・ハーブティーなどを飲むようにしましょう。

 

3.きちんと水分摂取

消化・吸収など胃腸の働きを担うのは副交感神経ですが、水を飲んで胃腸の蠕動運動を促すことが、副交感神経を活性化することにつながります。一日1.5L程度を目指し、積極的な水分摂取を心がけましょう。

 

どんなに体調を整えるための栄養素やサプリメントを十分にとっていても、食べ方が好ましくなかったり、身体の土台が出来ていないときちんと働きません。急がば回って、副交感神経を高めるような食生活になるよう少しずつでも工夫してみてください。

 

心身ともに適度にリラックスした日常のお役に立てますように。

当クリニック栄養指導の席でも、お気軽にご相談ください…♪

 

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(No.36)