医療コラム

冬の脱水




2020年2月
管理栄養士 小西 

立春も過ぎましたが、まだまだ寒い日が続いておりますね。
日本でも新型肺炎が流行ってきております。
体調管理には十分にご注意下さい。

さて、栄養相談では、水分の摂取についてもお話しております。
そのなかで、「冬は水分を摂る量が少なくなる」とおっしゃる方がとても多いです。
果たして水分はどのぐらい必要なのでしょうか。
今月はこの時期に起こりやすい「冬の脱水」についてお伝えしていきます。






水分の出入り



出る水
人間は、不感蒸泄(呼気に含まれている水分、皮膚から蒸発する水分)で1日約1ℓ
便から200~300ml、尿から1~1.5ℓ排泄されます。
合計で、2.2~2.8ℓ 1日に身体から出ていきます。



入る水
1日の食事から 1ℓ摂取すると言われています。
また、代謝で作られる水は200~300mlです。
残りは飲水量で補います。(1ℓ~1.5ℓ)





冬の脱水の原因



暖房による乾燥
冬は暖房を使うため、皮膚から水分が無意識に蒸発してしまいます。(不感蒸泄)
それにより、水分が身体から出てしまい脱水の原因となります。

汗をかかないため水分補給をしない
汗をかかなくても、不感蒸泄、尿、便から水分は出ていきます。
汗をかかないので水分の補給をしないという方ですと、水分の摂取量よりも排出量が
多くなってしまい、身体の水分が不足し脱水になります。





脱水を防ぐために



こまめに水分補給をする
朝起きてからまずコップ一杯、食事の時間、合間の10時、15時、
お風呂上がりと時間を決めて水分補給をしましょう。
一度に大量の水分を摂取すると、心臓や腎臓に負担をかける可能性があります。
こまめな水分補給を心がけましょう。


カフェインが入っていない飲み物を飲む
コーヒーや緑茶など、カフェインを多く含む飲み物は利尿作用が多く、尿量や回数が
増えてしまいます。
水分の排出量が増えてしまうため、カフェインを含む飲み物を摂取すると結果として
脱水が進んでしまいます。
水や麦茶など、カフェインが入っていないものを飲むようにしましょう。







水分補給を怠ると、心疾患や脳血管疾患にもつながりやすくなります。
しっかりと水分補給を行い、健康を維持していきましょう。