2013年2月20日
管理栄養士 中居有紀
2年前に栄養指導の席でお話させて頂いた患者様から、手作りの時計をいただきました。なんと90代の男性の方から!温かさと明るさの醸し出された、とても可愛らしい時計。おかげさまで指導室の部屋の雰囲気も明るくなりました。心のこもった手作り時計をありがとうございました。
さて前回の集団栄養相談会では、参加者の皆さんに年末年始の食生活状況の振り返りをして頂きました。前に挙げていただいていた目標への到達状況の振り返りです。
すると大半の方々からの、好調なご意見をたくさん聞くことができました。
「お正月明けに検査をしましたが、目標通りすべて正常値!お餅も1食2個までに抑え、順調でした」
「おせち料理は食べましたが、ゆっくり少しずつ。そうしたら血液検査の結果についても『合格です』と先生からホメてもらえました」
「毎年お正月明けには体重が1kgは増えるのに、今年は増えていませんでした。集団栄養相談会に定期的に参加しているからだと思う」
うれしいご報告がたくさんでした。
うまくいかなかったという方も、改めてご自分のペースで、健康的な体づくりに励んで頂けたらと思います。
ところで、もうすぐひな祭の季節。
今回のテーマは、そんなひな祭の定番食材『菜の花』についてです。
古くから親しまれてきた菜の花
ほのかな苦味と歯ざわり、キレイな緑色が特徴の菜の花。春の訪れを感じさせる季節感満点の花野菜です。
その歴史を遡ると、飛鳥時代には花芽を食用とする習慣があり、日本書紀にも記載されていたそうです。室町時代には搾油されるようになり、灯火や食用(菜種油)として利用されるようになっていきました。現在も北海道や青森を中心として栽培が行われています。定番料理の和え物やおひたしのほか、パスタや炒め物、お吸い物などにも利用して、食卓を春らしく彩ってくれます。安価な野菜ではないかもしれませんが、冬の寒さに耐え生育した春野菜の栄養価はとても高く、アメリカの「ガン予防の可能性のある食品40(デザイナーフーズ)」に選ばれているほど。季節になったら一度は食べておきたい食材です。
菜の花の栄養!
●デトックスを促す植物性アルカロイド
特徴的なほろ苦さのもとになっているのが、植物性アルカロイド。冬の大地で眠っていた植物たちが活動を開始する春は、人の体も冬の間に鈍った新陳代謝を活性化したり、ため込んだ老廃物を体の外に排出しようとしますが、春野菜「菜の花」は、これをサポートしてくれます。腎臓や肝臓を活性化し、デトックス作用があることで知られています。
●野菜の中でもトップクラスのビタミンC
あまり知られていませんが、菜の花のビタミンC量は野菜の中でもトップクラス。ビタミンCの豊富なピーマンと比較しても、(同量あたり)1.5倍以上含みます。強い抗酸化用があり、生活習慣病の予防を助けるほか、鉄分の吸収を促す働きのあるビタミンCですが、鉄分も豊富な菜の花は貧血気味の方にも注目の食材です。(ビタミンCは熱に弱い性質があるので、加熱時間はなるべく短めがGOOD)
温かい春もすぐそこ。菜の花パワーで、皆さまの身体も春らしく整っていきますように。